コロナウイルス感染拡大の第7波は今後どうなるのか。オミクロンBA.5の新しい変異種、BA.2.75も現れ、感染者数はさらに拡大しそうな状況にある。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)
※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2022年7月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
オミクロンの第7波はどうなるのか?
オミクロンとその変異株による第7波の感染拡大が止まらない。
7月27日、新型コロナウイルスの感染確認の発表がこれまでに全国で20万9,694人となり、20万人を突破した。これまでで最も多かった今月23日の20万人余りを上回り、過去最多となった。また、全国25の道府県で最多となっている。
東京都内の27日の感染確認は2万9,036人で、8日連続で前の週の同じ曜日を上回った。7日間平均は初めて3万人を超え感染の拡大が続いている。また、感染が確認された6人が死亡した。
このように、オミクロン株による第7波の拡大は実質的にコントロール不能の状態になっており、連日感染者数の記録を更新している。
オミクロン株は、従来のBA.1、BA.2、そしてもっとも感染力の高いBA.5とともに、BA.5よりもさらに3.24倍も感染力の強いBA.2.75の出現も確認されている。この変異株は、ワクチンの免疫逃避能力も確認されてているので、ワクチンは効きにくいとされている。ただ、毒性が強くなっているのかどうかはいまのところ分かっていない。これはオミクロンとは区別して、SNSなどではケンタウロスという名称で呼ばれている。しばらくすると、今度はこのケンタウロス株による第8波が始まるのではないかとも見られている。
一方幸いなことに、オミクロン株の毒性は強くない。ほとんどの感染者は軽症で回復している。またデルタ株では深刻であった後遺症も、オミクロン株ではデルタ株の半分程度であることが確認されている。
後遺症は一般に、感染から4週以降に倦怠感や筋力・集中力の低下など様々な症状が続くことをいう。味覚・嗅覚障害、脱毛などの訴えも多い。イギリスの「キングス・カレッジ・ロンドン」の研究者が医学誌「ランセット」に発表した論文によると、デルタ株の流行期に後遺症を訴えた人は10.8%だったのに対し、オミクロン株感染が主流のグループでは4.5%だった。
このようにオミクロン株は軽症で後遺症も少なく、重症化するリスクは基礎疾患を持つ高齢者に限定される傾向があるので、政府も行動制限などは行わず、国民も普段通りの社会生活を送っている。人々の行動の活性化が、感染を広める原因になっていることは間違いない。
また、近い将来第8波を主導する可能性のあるBA.2.75のケンタウロス株だが、どの程度の毒性なのかまだ分かっていない。ただいまのところ、各国のケンタウロス株の感染事例では、オミクロンの従来株と同程度の毒性だと見られている。特に毒性が強くなったことはいまのころ確認されていない。
このようなことから、第7波ならびにこれから始まる第8波は、新型コロナのカゼ化の始まりではないかという楽観的な意見も聞かれるようになっている。