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錦糸町サウナ社長の“暴言恫喝”に滋賀・老舗銭湯の“勝手に140℃設定”。相次ぐトラブルの背景に浮上する「行き過ぎたブームの弊害」との見方

東京都内にあるサウナ施設が、そのサービス内容や施設の汚さをめぐってgoogle上のクチコミでユーザーから低評価の書き込みが相次いだところ、その施設の社長と名乗る人物が不穏当な言動で反論したとして、大炎上しているようだ。

騒動の舞台となっているのは、東京・錦糸町にあるサウナ施設。googleマップのクチコミをみると、ここ1年ぐらいは人手不足が顕著なようで、それによる低クオリティな接客、さらに施設内の清掃も行き届いてないといったレビューが多く、「史上最悪のお店」「今まで生きてきた中で、最低最悪の施設と接客でした」などといった厳しい声が飛び交う事態に。

それらの悪評に対して、ここ最近になって社長を名乗る人物がレスポンスを返すようになったのだが、その文言をみると「施設への悪意ある書き方ですね」「「悪意」を持って「悪質」なクレームをつけ「悪態」ついて帰る、そして必ず返金要求、最近そんな客が多い」「法的手段とらせてもらいます」などと、あたかもクレーマー扱いといった内容。

挙句の果てには「良かったですね。私に殴られないで」「浅草橋「TANREN」にて私とスパーリングでもしましょう」などといった、恫喝まがいの発言も飛び出す始末で、それらのやり取りが早々に晒されて、炎上に至ったという経緯のようだ。

「サウナブームがなければ起きていなかった」との見方も

渦中のサウナ施設だが、都内でも有数の熱さだという120℃の灼熱サウナがウリなようで、現在のサウナブームの火付け役のひとつとされるテレビドラマ『サ道』にも登場したことがあるなど、サウナ愛好家の間ではよく知られている施設だということ。

また、暴言の主とされる施設の社長だが、錦糸町エリアで複数のサウナ施設を50年間に渡って運営している会社の3代目ということで、サウナ関連のメディアにも登場するなど、この界隈では知る人ぞ知るといった人物のようである。

今回の件に関しては、施設への批判が多く寄せられたのがgoogleマップ上のクチコミということで、その言い分を全面的に信じるのも少々憚られるといったところだが、それ以上に社長を名乗る人物の悪口雑言が酷すぎるだけに、SNS上の反応としては施設側の非を問う声が大きいようだ。

ただ、そのいっぽうで今回の騒動は、サウナブームがなければ起きていなかったかもしれない……といった声も、一部からはあがっている状況。

つまり、以前ならば地元密着で営業していたようなサウナ施設が、最近のブームで注目を集め、遠方などから愛好者たちが多数押し寄せるようになり、さらにそのことで施設側も俄かに色めきだったことで色々と歯車がかみ合わなくなり、結果として今回のようなトラブルに至ってしまったのではといった見方だ。

客による“勝手に140℃設定”に店側は大激怒

先述の『サ道』などがきっかけで巻き起こっている昨今のサウナブーム。「サウナ→水風呂→外気浴」の繰り返しで快感を得ることを“ととのう”と呼び、多くの愛好者がそんな“ととのい”を求めて、各地のサウナ施設に大挙して繰り出している。

以前まではサウナなどにまったく縁がなかったような大学生ぐらいの若者らも、最近ではよく目立つといった状況だが、そんな彼らは施設内のどこにでも連れ立って移動し、サウナルームや水風呂を占拠するうえに、コロナ禍真っただ中の時期でも人目を憚らずペチャクチャおしゃべりしているということで、既存のサウナ愛好者たちからは“ドラクエ”と呼ばれて忌み嫌われるなど、マナー意識が欠落した“にわかファン”の存在は度々取沙汰されていたところ。

さらに、各地のサウナ施設が脚光を浴びていくなかで、比較的大箱なサウナ専門施設だけでなく、まさに地域密着でやってきたサウナ併設の銭湯なども大いに耳目を集めるようになり、小規模なところが多いそれらの施設にも各地からサウナ愛好者が殺到。それによるキャパ以上の混雑のため、日頃から利用している地元客が難儀するという状況も、至るどころで発生しているようだ。

そんななか、滋賀県大津市にある老舗銭湯においては、客がサウナ室の温度調節を勝手にいじり、男女とも140℃以上に設定するという、どんでもない“悪戯”事案までも発生したとのこと。

サウナで140℃といえば低温やけどになる可能性が大いにあり、温度の感覚が鈍くなっている地元のご高齢客などが、いつもと同じノリで入ってしまった日には、火傷どころで済まない大変なことにもなりかねない。それだけに店側も、地元警察に速攻で被害届を出すなど怒り心頭なようだが、ちなみに創業約50年、サウナ設置から約30年間経つという同施設において、このような悪戯をされたことは一度もなかったという。

そうなると、この所業もやはり最近のブームに乗って押し寄せた層によるものでは……といった見方も、一部では広がっているところで、なかには「あー俺サウナハマりすぎて普通の温度じゃ物足りねぇわ」的な展開で、温度を勝手に上げた人間がいたのでは、といった憶測も。最近のサウナブームにおいては、サウナはより高温、水風呂はより低温というのが、何故か貴ばれるといった空気も少なからずあるだけに、そういった経緯も大いに考えられるといったところだろう。

このところは東京都内をはじめ都市部のサウナ施設の多くで、キャパオーバーの状況が慢性化し、休日ともなるとサウナ室や水風呂はまるで満員電車&イモ洗いのような状態に。また、外気浴のための椅子も数が足らず、さながら“全裸の椅子取りゲーム”といった状況となっている施設も少なくないという。

ブームによってファン層が拡大し業界全体が活気づくことは、サウナ愛好者にとっても喜ばしいというのは間違いのないところ。とはいえ、もはやサウナ本来のくつろぎとは程遠い環境となっている一部施設の現状や、今回の錦糸町や滋賀での出来事のような“ブームの弊害”といったトラブルも相次ぐとあっては、昨今の過熱するいっぽうのサウナブームへの懐疑的な視線の広がり、さらにはブームの終焉を願うような声が、ファンの間からも多数あがるのも無理もないと言えそうだ。

Next: 「馬鹿みたいに温めた後水風呂で急速冷凍させるのヤバくないか」

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