ここまでやるために必要な労力
(井村さんは)実際にそれほどのものをやっていまして、まず何よりこれです。
<1日10時間以上の企業分析>
普通労働者の労働時間は8時間と定められていますから、そこに対して10時間。
ひたすら企業の分析を行っているということなのです。
<妥協なき情報収集>
その企業の分析というのは、一社を分析するのではなくて、3600社全ての企業に決算や適時開示、決算以外のニュースリリースや上方修正というのもあります。
それらにとにかく目を通していたということです。
毎日毎日見ていたら、段々この辺りの分野に上方修正が出ているぞということが、わかってくるのではないかと思います。
今回の場合は、石炭だ。
三井松島だということになり、石炭の今後の価格推移どうなるんだということを、徹底的に英語の文献を読んだりして、上がるかどうかを自分が徹底的に叩き込んだというところがあると思います。
<投資に全てを捧げる>
全部の企業決算に目を通すという。
私ももう数社、見てるだけでもかなりきついところがありますけれども、それを全ての企業にやる。
これとんでもない事ですね。
当然それ以外に時間を割いて余裕なんかなくて、1日と言いますけれど、おそらく(話を聞く限り)営業日だけではないです。
土日も含めた365日という感覚だと思います。
まさに投資に全てを捧げる。
食とか旅行とか娯楽にも全く興味がないということです。
その一つの証拠として、付き合った女性も今の奥さん以外ないということです。
この井村さん、元お笑い芸人なんですが、芸人時代は貧乏でした。
そこで株式投資を始めて、利益・資産を作っていたということです。
しかしここ数年はもう目の色が変わって、投資に没頭している印象を持ちます。
<図書館で「株」というタイトルの本を全て読む>
一番最初はどうしたかというと、お金がなかったお笑い芸人だったということですから、図書館で株と名のついたタイトルの本は全て読んだ。
はっきり言って、ものすごい勉強家。
元お笑い芸人というと、ちょっと茶化しまうところがあるのですが、多分私なんか比にならないほどの勉強家じゃないかと思います。
ちなみに実は井村さんのお父さんは、大学教授です。
元々、勉強する家系にあった。
それがたまたまお笑いの道に入ったけれども、結果本人が向いてるのは、こっちだったと言えるのではないかと思います。
ちなみにこの全ての決算・適時開示に目を通すというやり方。
過去にもそういう人がいまして、五月さんという伝説のトレーダーがいます。
私も2012年ぐらいに五月さんのブログを読んでいました。
その時に、井村さんと同じようにひたすら開示を見て、日本ライフラインという会社が上がるだろうと予想して、そこにかなり大きな金額を突っ込んで何十億という利益を出した。
そういう人なのです。
井村さんがやってることは、五月さんの真似をしたとも言えるのではないかと思います。
逆に言えば、それだけやる意味はあると思います。
問題はそれだけのことが続くかどうかということです。
並の人間では多分無理です。
これをずっと続けるというのは。もしかしたらできるかも知れないですけど、それって何のために生きてるの?というところが、もはやあるのではないかという気がします。
ただもちろん、このやり方自体を否定するものではないです。
私もある意味井村さんは、尊敬しているところです。