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サイエンスアーツ、売上高は前年比+80.3% セールスパートナーを強化し更なる顧客獲得を目指す

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2022年10月29日にログミーFinance主催で行われた、第43回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナーの第3部・株式会社サイエンスアーツの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

会社概要 サイエンスアーツについて

平岡秀一氏(以下、平岡):みなさま、こんにちは。サイエンスアーツの平岡と申します。最初に「Buddycom」の概要とマーケット状況、続いて決算の内容についてご説明させていただきます。

会社概要として、従業員数は2022年8月末で29名、今日現在で31名です。従業員の男女比はおおむね半々で、平均年齢は31歳という非常に若い会社です。

事業内容としては、「Buddycom」の開発・販売をすべて自社で行っています。また、「Buddycom」の事業に関して100パーセント投資している会社となっています。

会社概要 代表について

平岡:私の経歴を簡単にご説明すると、新卒で日立西武ソフトウェア(現日立ソリューション)に入社し、ソフトウェア開発やプログラミング設計などを勉強しました。主に大規模な証券や銀行のシステムにおける中枢のミドルウェアを開発していました。

その後、マイクロソフトに移り、2003年に当社を設立しました。当社を設立した理由は、やはりソフトウェアの開発や、プロダクトを作っていきたいと思ったためです。

事業概要 Buddycomについて

平岡:「Buddycom」がどのようなところで使われているのか、まずは動画をご覧ください。

「Buddycom」を開発した背景を簡単にご説明します。私の父親はパソコンが非常に得意でしたが、ガラケーやスマホで文字を打つのに大変苦労していました。それを見て、もっと簡単にコミュニケーションができるようなツールを作りたいと思ったことが、「Buddycom」の開発の背景です。

スライドには、実際の「Buddycom」の画面を記載しています。タブレット画面を横にすると、話した音声が音声チャットとして出るような、2分割のインターフェースを提供しています。下段の写真はアクセサリーです。「Buddycom」をご使用になるお客さまは、「Buddycom」のライセンスと、このようなアクセサリーを購入されるかたちです。

プランについては、現在4つご用意しています。一番安いプランは「Talk Lite」という音声のみのプランです。次に「Talk Enterprise」という、音声以外に音声のテキスト化や翻訳、高セキュリティなど、企業であれば必要になってくるような機能が入っています。

「Livecast Lite」は映像配信も含まれ、プッシュ・トゥ・トークで映像もやり取りできるようになります。最後に「Livecast Enterprise」では映像を送りながら、音声のテキスト化や翻訳機能などを提供しています。

これらのプランについては、まずは「Talk Lite」で登録し、そのうちに「テキストが欲しい」「映像が欲しい」というかたちで使用料やARPUが上がるような仕組みになっており、実際にそのようなお客さまがたくさんいらっしゃいます。

事業概要 サブスクリプション型の収益モデル

平岡:サブスクリプション型の収益モデルについてです。グラフの濃い青色が「Buddycom」の利用料で、薄い青色がアクセサリーの収益を示しています。「Buddycom」利用料、アクセサリーともに順調に伸びており、サブスク比率は52.5パーセントと、非常に順調に推移しています。

事業概要 ラージアカウントに強い BtoB SaaS

平岡:「Buddycom」の特徴は2つあり、1つはラージアカウントに強い点、もう1つはさまざまな業種で広く使われているホリゾンタルな点です。

ラージアカウントとして、JALなどのエアラインといった国内外のお客さま、JRや私鉄といったさまざまな鉄道インフラの運輸系に導入されています。

また、ダスキンやJFEスチールなどの工場・プラント系、その他にイオンやユニーなどの流通企業でも導入されており、非常にホリゾンタルで、かつラージアカウントのお客さまが多いことが特徴です。

事業概要 お客様導入事例

平岡:お客さまの導入事例です。イオンリテールでは、人・物・場所を探す時間を大きく短縮でき、お客さまに対するサービスが大きく向上しています。イオンリテールをはじめ、グループ会社でも広くご使用いただいています。

ツクイでは、例えば介護や病院の現場では、高齢者を抱えて両手がふさがっている時に、スマホを取り出して連絡するといったことは非常に困難です。「Buddycom」を使用することで「ヘルプお願いします」といったコミュニケーションを取ることができ、スタッフ間のスムーズな連絡、連携が可能になるため、介護や病院関係での導入も増えています。

JR東海では、新幹線の事例があります。新幹線の乗務員や運転手が「本日はよろしくお願いします」「今から出発します」という確認を「Buddycom」で取り、その情報を本部に伝達して新幹線が出発するというかたちになっています。運用に非常に深く入り込んでおり、「あればよい」というよりも「なければならない」といったツールになっています。

最後にJALの場合です。例えば、整備士は着陸から出発まで約1時間の間に整備を行っています。飛行機は稼働率が勝負ですので、そこで従来の無線機が止まってしまうと代替機を持ってくるようなインシデントになるため、着陸してからのさまざまな確認事項もすべて「Buddycom」で行っています。

事業概要 デスクレスワーカーが注目される理由

平岡:「Buddycom」がどのようなマーケットと合致しているかというと、デスクレスワーカーです。日本の就業人口のうちデスクレスワーカーは約半数ですが、グローバルの労働人口では現在8割がデスクレスワーカーと言われています。我々はここに対して「Buddycom」を投入しています。

事業概要 Buddycomが見据える市場

平岡:マーケットサイズについてです。デスクレスワーカーの人口に「Buddycom」の料金体系をかけると、グローバルで約13兆円、国内で約1,400億円になります。「Buddycom」のARRは4億4,000万円ほどのため、まだまだ開拓の余地があると認識しています。

事業概要 デスクレスワーカーが求めているもの

平岡:デスクレスワーカーが求めているものについてです。「Buddycom」ユーザーに、コミュニケーションにおいて重要視していることについてアンケートを取ったところ、ご覧の3点が挙げられました。

1つ目は、やはり「かんたん」であることです。ご高齢でスマホ嫌いな方でもスイッチ1つでお話しできる簡単なところが、非常に受け入れられています。

2つ目に「間違わない」ことです。なにか起きた時に操作ミスをすると、やはりコミュニケーションが止まってしまい、鉄道や航空会社では大きなインシデントにつながる可能性があります。この点に関しては、我々も徹底的にインターフェースを研ぎ澄ませています。

3つ目に「速い」ということです。「Buddycom」は、音声のやり取りを約1秒以内ですぐに届けるようにしています。「LINE」やメール、チャットなどは1秒、2秒遅れても特に支障はないかもしれませんが、「Buddycom」の場合は同時双方向ですぐに返すことができますし、その速さがお客さまに受け入れられています。

事業概要 現場×音声のユニークなポジション

平岡:「Buddycom」については、よく「『LINE』となにが違うのですか?」というご質問を受けます。「LINE」はチャットやメールなどのテキストでのやりとりになるため、例えばプラントなど手袋を着ける場所で働いている場合は、スマホを取り出すことも不可能です。それに対し、「Buddycom」の場合はボタン1つでコミュニケーションが取れるということで、現場に非常に受け入れられやすいアプリになっています。

従来もトランシーバーや電話があったわけですが、「Buddycom」の場合は、1対nでコミュニケーションができます。また、話した内容がテキストで残る、映像を介したコミュニケーションができるなど、多様な機能がマーケットに受け入れられています。

事業概要 主な機能

平岡:主な機能をスライドに挙げています。音声通話についてはコモディティ化された機能で、当然競合他社も導入しています。しかし、その他に関しては競合他社が持っていない機能のため、差別化が図れています。

「音声通話」も、例えばJR東日本旅客鉄道では約1万チャンネルを運用しており、世界最大のチャンネル数となっています。大企業向けでそのような音声通話ができるサービスは「Buddycom」が唯一だという点は非常に強みです。

「テキスト化・翻訳」については、知財として特許を押さえています。音声チャットができるようになっており、なおかつ翻訳も可能です。

「ライブキャスト」についても、映像を利用してコミュニケーションを取ることができ、音声だけではなく映像も1対nでやり取りできる機能を国際特許で押さえています。

「MAP通話」は地図を利用した機能です。例えば、特定の鉄道路線だけをMAP上に枠で指定すると、指定した範囲にいるユーザーとのみ通話ができるようになります。どのようなものか、こちらも動画でご覧ください。

コロナ禍において、海外工場に出張できなかった大手企業がたくさんありましたが、ご覧いただいた動画のように、実際に行かなくとも現地の方と「Buddycom」を通してコミュニケーションを取ることができます。

事業概要 特筆した機能

平岡:「Buddycom」の特筆した機能をご紹介します。まずは、「エンドツーエンド暗号化(E2EE)」です。音声と映像のエンドツーエンドの暗号化に対応しており、エンタープライズ向けの大きな特徴となっています。

次に、「ディザスタリカバリー対応」です。「Buddycom」のサーバーを東京だけではなく、シンガポールやロンドン、アメリカなど数ヶ所、グローバルに「Buddycom」のサーバーを置いています。

一昨年にAmazonのサーバーがダウンした関係で、都内のほとんどのクラウドサービスが止まったのですが、「Buddycom」の場合はすぐにシンガポールのサーバーにスイッチしていたことで、サービスを継続することができました。このように、何かあったときにサービスを止めないという機能です。

もう1つは、アメリカのお客さまが「Buddycom」を使うときに。わざわざ日本のサーバーを使わずにアメリカのサーバーを使うことで、高速でやり取りできるというものです。この2つの強みとして伸ばしていきます。

事業概要 アクセサリー

平岡: アクセサリーについてです。「Buddycom」をお使いの方は、必ずといっていいほどこれらのアクセサリーを使用されています。有線・無線の違いに加えて、現場ごとに使うものが異なっています。無線の場合はほぼすべて「Buddycom」専用で、有線は専用と汎用の2つに分かれています。

サマリー

平岡:続いて、2022年8月期通期の決算説明を行います。まず、2022年の実績は、売上高が前年比80パーセント増と大きな伸びを示しています。

そのうち、「Buddycom」の利用料に関しては前年比54.3パーセント増で、これも非常に順調な成長率となっています。アクセサリーに関しては前年比133.2パーセント増と、大幅に増加しました。新規に「Buddycom」を契約する際はアクセサリーも購入するのですが、それとは別に、買い替え需要が多く重なったことも寄与しています。

ARRは前年比49パーセント増の4億4,000万円で、比較的高い伸びを示しています。2022年4月14日に公開した修正計画を19.7パーセント上振れしており、順調に推移していると思います。

FY2023計画では、売上高は前年比10.2パーセント増と、お客さまID数を積み上げており、非常にコンサバティブな高い数字になっていると思います。「Buddycom」の利用料は前年比50.7パーセント増と、順調に維持できると考えています。

アクセサリーに関しては、「Buddycom」の新規ユーザーが増えるとアクセサリー需要も伸びるのですが、前年のように買い替え需要が来るかどうかは不透明です。そのようなことを踏まえ、前年比34.1パーセント減としています。

ARRは6億100万円で、前年比36.6パーセント増と順調に伸びていくのではないかと考えています。

業績ハイライト 損益計算書 (通期)

平岡:通期の損益計算書についてです。先ほどお伝えしたとおり、アクセサリーの買い替え需要によって修正計画から約1億円弱上振れています。販管費に関しては、今回はCMのようなマーケティング活動を実施しなかったため、広告宣伝費が約4,700万円減少しました。

業績ハイライト KPIの状況

平岡:KPIのご説明です。我々の強みであるNRRは、130パーセントと非常に高い数値を示しています。例えば「Buddycom」がとある会社の関東地区の店舗に入り、次に東北地区、北海道地区へと順番に広がっていきます。そのようなかたちで、1つの会社の中でも、どんどん伝播して「Buddycom」が使われるようになっています。加えて、グループ会社でどんどん使っていただくことで、NRRが非常に高くなっています。

業績ハイライト KPIの状況

平岡:ID数についてもご覧のとおり、順調に推移しています。ID単価に関しては、2022年が若干下がっているのですが、2021年にオリパラ需要があり、単価が特需的に上がったため、2022年に若干下がるかたちとなっています。これも2021年に大型案件が非常に増えたため、ボリュームディスカウントというようなかたちで単価が下がったわけです。これも、ある意味では大口案件が順調に取れていた結果です。

業績ハイライト KPIの状況

平岡:契約社数も順調に伸びています。

業績ハイライト KPIの状況

平岡:非常に重要な指標である解約率についてです。解約率も非常に低く推移しています。新型コロナウイルスで若干高くなりましたが、現在は0.34パーセントと落ち着いた状態で推移しています。

売上総利益率は66パーセントと、非常に高い数字を示しています。2022年に若干下がっているのは、アクセサリーの売上が非常に大きく、それに伴う仕入れがあったためです。アクセサリーの粗利率はライセンスほどよくないため、若干下がりました。

「Buddycom」の売上総利益率に関しては、おおむね80パーセント以上から90パーセントと非常に高い数値を示しています。

業績ハイライト 貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書

平岡:貸借対照表とキャッシュ・フローの計算書に関してです。特徴的なのは営業キャッシュフローです。2021年度はマイナスでしたが、2022年度はプラスに転じています。

「Buddycom」は年間契約の場合、料金を前払いでいただくビジネスモデルになっています。ほとんどのお客さまが年間契約ですので、前受収益が大きくなっています。

FY2023 事業計画 事業計画の概要

平岡:2023年度の計画についてです。先ほどもお話ししましたが、売上高は前年比10パーセント増、「Buddycom」の利用料は前年比50パーセント増と順調に推移しています。

FY2023 事業計画 KPIの状況

平岡:ARRに関しては、前年比36パーセント増の6億円を計画しています。人員数についても、現在採用を拡大しており、42名まで増員を計画しています。

成長戦略 セールスパートナーの強化

平岡:我々の特徴の1つであるセールスパートナーについてです。スライド25ページには、ピカピカのセールスパートナーが並んでいます。

携帯キャリアは、ソフトバンク、ドコモ、KDDIの3社です。RICOH、NTT東日本は、どちらかというとミドルレンジを狙っていきます。加えてSB C&S、DISには中小の外部エリアを束ねていただくことで、全国津々浦々の販売体制を整えられるのではないかと思っています。

おもしろいことに、このようなパートナーが増えると売上にかなりの効果が出てきます。実際に、2021年度はRICOHとNTT東日本がパートナーになった際に、2022年度のARRは49パーセント増となったのですが、このうち15パーセントがRICOHとNTT東日本によるものです。

2022年度に新しくパートナーになっていただいたドコモ、KDDI、SB C&S、DISは、今期に非常に大きなインパクトを与えるパートナーになるものと考えています。

成長戦略 プロダクトの強化

平岡:プロダクトの強化について、我々の強みはやはり技術です。ここを徹底的に強化しています。

特許についても、国内特許ではなくグローバルの特許を目指していることが特徴になります。ゆくゆくは海外の流通を見据えて、我々はグローバル特許で知財を押さえていくということを考えています。

成長戦略 エコシステムの強化

平岡:エコシステムの強化についてです。今まで「Buddycom」は人と人とのコミュニケーションを図ってきましたが、人とマシンというかたちで、センサーやAIカメラの連携に取り組んできました。

イオンリテールの場合は、AIカメラでベビーカー売場をずっと検知しているのですが、お客さまが1分ほど滞在すると、「Buddycom」で店員へ「ベビーカー売場にお客さまがいらっしゃいます」と通知されます。

すると、店員が「私が接客します」と現場に行き、お客さまに商品の説明などを行なうことができます。これによって売上が250パーセント上がったということで、昨年はニュースでも非常に話題となりました。

また、介護施設だとではベッドにセンサーが付いており、患者が動いたり起き上がったりするのを感知し、音声でスタッフに連絡することでインシデントを防ぐ効果も生まれます。エコシステムの強化は、我々も非常に力を入れている分野です。

以上で、2022年8月期の決算説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

質疑応答:「Buddycom」の契約プランについて

坂本慎太郎氏(以下、坂本):「Buddycom」の契約プランは4つあり、いろいろな内容や機能がありますが、年間契約と月契約の割合を教えてください。

平岡:約9割以上が年間契約となっています。

坂本:それが毎年更新されていくということですね。価格についてはずっと変わらないのでしょうか? 昔のほうが安い金額設定だったため、そのまま更新されている部分もあるのかについて教えてください。

平岡:2020年は「Talk Lite」というプランだけでしたが、2021年より「Talk Enterprise」「Livecast Lite」「Livecast Enterprise」を追加しています。

坂本:新たな機能が加わったプランを新しく増やしているということですね。

平岡:ARPUが上がるようなプランを作ったということです。

質疑応答:多くのラージアカウントを獲得できた理由について

坂本:数多くのラージアカウントが御社のサービスを導入されているということですが、大企業を中心とした顧客を、なぜこれほど獲得できたのかという点について、あらためて教えてください。

平岡:もともとは、大企業に導入されることでミディアムなマーケットも獲得できるのではないかと戦略を立てており、意図してラージアカウントを獲得しに行きました。

その中でも、やはり通信の世界ではエアラインでの導入が重要です。エアラインのお客さまが使うと、ほかの大企業も安心してご利用くださるだろうということで、まず我々はJALへの導入に注力しました。次いで、鉄道インフラの業界にも導入を目指しました。

ブランドがあり、信用力のある大企業のお客さまとコミュニケーションを取りながら、確実に「Buddycom」を導入いただいたことが、ラージアカウントの導入拡大に繋がった要因の1つではないかと考えています。そのような意味で、当初の戦略どおりに進んでいると感じています。

坂本:ありがとうございます。確かにJALなどのエアラインといった空港関連は、電波に気を使う部分があるため、その品質が保たれているといった点で、御社のサービスがよいものだということが非常によくわかります。このような点は、やはり拡販していくときのセールスポイントになってくるのでしょうか?

平岡:おっしゃるとおりです。

坂本:小売などにも範囲を広げられているのですよね?

平岡:はい、そうです。

質疑応答:今後の展望について

坂本:今後の展望として、ミドルレンジ、スモールレンジはセールスパートナーを使われるという話をお聞きしましたが、市場規模としては大きいのでしょうか? そのあたりも含めて教えてください。

平岡:今、我々はラージアカウントの横展開を狙っているところです。スモールやミディアムといったマーケットについては、我々も手つかずと言いますか、ほぼ誰も狙っていない市場です。

とはいえ、ミディアムやスモールのマーケットにも「Buddycom」をご利用のお客さまがたくさんいらっしゃいます。例えば、建設業や医療・介護といったお客さまです。1社あたりのID数も増えており、確実にミディアムやスモールのマーケットも可能性があるのではないかという手応えを感じつつあります。

数多くのお客さまが「Buddycom」をお使いになっている中で、非常に力があるRICOHやNTT東日本と一緒に、今後はミディアムやスモールといったマーケットを開拓していこうと考えています。

坂本:すでに御社の製品のよさを理解している企業とパートナーシップを結ぶことで、さらに多くの企業に、実用例も含めて商品を知ってもらうことが可能となるということですね。

平岡:おっしゃるとおりです。実績も多くあります。

質疑応答:シェア強化の方向性について

坂本:デスクレスワーカーについてのお話の中で、実際に製品を販売しているということでしたが、将来的にどのくらいの労働者がデスクレスワーカー向けのサービスを使うイメージなのでしょうか? また、「まだ開拓できていない会社がある」とのことでしたが、何割くらいが御社の製品を使うことを目標にしていますか?スライド9ページには潜在市場規模も示されていますが、こちらも含めて教えてください。

平岡:デスクレスワーカーといっても、農業の方なども含まれていますので、過半数を目標として意識しています。

質疑応答:競合他社について

坂本:12ページに記載されている機能について、同様の機能を持つ製品を取り扱う競合他社はどの企業でしょうか? 競合するサービスについても、可能であれば教えてください。

平岡:我々の競合会社はアメリカのZelloです。我々よりも歴史がある会社で、規模も大きくお客さまの数も多いです。しかし、Zelloは音声通話機能しか提供していません。そのような意味で、我々のマーケットで差別化を図ることによってアメリカを押さえ、参入していきたいと考えています。

国内ではソニーが開発したインカムアプリCallsignや、NECのスカイトランシーバーのほか、BONXなどが競合という位置付けです。ただし、すべて音声通話のみに特化している企業です。我々のようにテキスト化や翻訳、ライブキャストの機能を持つ競合は今のところありません。

坂本:それが強みということですね。確かに、多機能であれば利用する会社も増えると思いますが、他社から御社へ切り替えたいという話はありますか? 訴求ポイントはたくさんあると思います。

平岡:競合他社の既存のアプリを使っている会社は多数ありますが、大企業も含めてリプレイスは完了したと思っています。

坂本:リプレイス以外にも、まだまだ開拓する余地があるというイメージでよいでしょうか?

平岡:まだまだたくさんあります。現在スマホを使っていない企業や、警備会社なども含めて、どんどんサービスの導入が進んでいます。そのような企業は三大キャリアも今後開拓していくというかたちですので、まだマーケットは十分にあると認識しています。

質疑応答:アクセサリーについて

坂本:アクセサリーについても、御社にとってサブスクリプション以外で大事な売上になっていると思います。アクセサリーは御社専用の商品になりますか? それとも他社の製品でも代用できるのでしょうか?

平岡:有線と無線に分かれていますが、無線に関してはほぼ当社専用の商品です。有線に関しては他社製品でも代用できます。検証は行っていませんが、包含しているイメージでとらえてください。

質疑応答:人件費の増加について

増井麻里子氏(以下、増井):人件費が増加していると記載がありました。御社の場合は売上原価が低く販管費が高い印象ですが、営業の方の人件費が増加したのでしょうか? 

平岡:開発、営業ともに同程度の増加です。主にエンジニアの費用が増加しています。

質疑応答:営業手法について

増井:営業の方はどのような営業をされているのか、基本的な手法を教えてください。

平岡:現在はほぼ100パーセント間接販売です。直接販売は行っていません。セールスについても、先ほどスライドでお示ししたパートナーに対するセールスが中心です。

間接販売先もダイレクトに大手企業さまとなります。営業が現場に張り付き、メンテナンスや使い勝手などのさまざまな要求に、常にお応えできるようにしています。このように、ダイレクト営業とパートナー営業の2つに分けた体制を取っています。

質疑応答:CM放映の効果について

増井:CMを打たれていますが、売り上げの増加など、反応が見えた部分はありますか? 

平岡:実はあまり効果がありませんでした。ただし、信頼度が上がり、結果的にお客さまから注文をいただくケースがありました。

増井:なるほど、イメージアップがあったということですね。

平岡:はい、安心感が販売に結び付いたと認識しています。

坂本:CMが知名度の上昇に寄与したと思いますが、CMに限らず、今後の広告戦略としてはどのあたりに注力されていくのか教えてください。

平岡:やはりネット関係に投資を行なっていきます。また、あまりテレビに頼ることなく開拓していくとなると、今後はコモディティ化したような広告宣伝媒体を意識していきます。

質疑応答:月次解約率が低い理由について

坂本:月次解約率が低い理由を教えてください。年契約であることは当然だと思いますが、それ以外の工夫や、他社に乗り換えない理由はありますか?

平岡:トップダウンで導入されていないことが、解約率が低い理由だと考えています。契約のほとんどがボトムアップです。

坂本:現場の方が使いやすく、使いたいニーズが強いということでしょうか?

平岡:現場のニーズが広がっている点が、NRRが高い理由だと思います。現場にファンがたくさんいることに加え、デスクレスワーカーのファンの方が日々増えていると感じています。

そのような方々が使われているため、解約はほとんどなく、現場で一番使われているプロダクトになっていると認識しています。

質疑応答:海外進出の予定について

坂本:非常に財務が好調で、M&A等もできると思います。米国の会社を含めて、製品の優位性があると思いますが、今後の海外進出計画や戦略があれば教えてください。

平岡:我々は、特にアメリカの知財をどんどん押さえています。まだ押さえられていないところもありますが、見通しはついています。知財をおおむね取ることができれば、アメリカを中心に海外マーケットへ進出したいと考えています。戦略については、ネット販売や代理店のほか、今と近いかたちでジョイントベンチャーを利用する方法もよいと考えています。

質疑応答:セールスパートナーの強化について

坂本:今後もセールスパートナーを増やしていく予定でしょうか? 大企業を中心に多くのセールスパートナーがいますが、今後どのような業種の企業をパートナーにしたいと考えているなど、親和性があるセクターも含めて教えてください。

平岡:我々のリソースもあるため、パートナーを増やすとオペレーションのコストがかかります。理想としては、SBC&SとDiSの下にどんどん付いていただくことです。そのような意味でRICOHやNTTのような大きな会社、マーケットをたくさん持っている会社は、パートナーとして狙っていきたいと思っています。今のかたちは残しながらパートナーを増やしていきたいです。

質疑応答:製品の利用可能範囲について

坂本:御社の機器は、どれくらいの距離まで使えますか? 

平岡:地球上であれば、ドイツでも、ブラジルでも、どこでも使用できます。かつ通信インフラがしっかりしている国では、電話機よりレスポンスが速くなります。

坂本:そちらに切り替えて使っていただくということですね。

質疑応答:黒字化の展望について

坂本:また、黒字化はいつ頃を予定していますか? ご回答が難しいかもしれませんが、中計などで出しているようでしたら、今後の展望を教えてください。

平岡:トップラインを伸ばすための投資は、開発も含めてどんどんやっていきたいと思います。そのような技術をどんどん取り込んでいくことによって差別化を図ります。その過程において、近い将来に販管費を上回る厚い利益を出そうと考えているため、まずはトップラインを伸ばすことに注力しようと思っています。

質疑応答:アクセサリーの規格について

坂本:屋外向けのアクセサリーは防水加工になっていますか?

平岡:無線の屋外向け製品はMIL規格です。これはアメリカ軍などの軍事用でも使われている製品規格で、ノイズキャンセリング機能が備わっており、曲げても壊れません。音声も100dbくらいのすごく大きな音が出ます。この製品はANAやJALでも使われています。エンジン音によるノイズが出ても使用できるように、ノイズキャンセラーが備わったものをご用意しています。

坂本:防水は元より、エンジン音があるような場所でもクリアに聞こえるような規格になっているということですね。

質疑応答:製品のバックアップ体制について

坂本:万が一、機器が故障した場合のバックアップ体制はどうなっているのでしょうか? 保証や保険を別途付けるなど、扱いについて教えてください。

平岡:アクセサリーに関しては、すぐに交換する製品を送り、故障したと思われる製品は我々が引き取るセンドバック方式を取っています。

質疑応答:公的部門での採用について

坂本:自衛隊や警察庁などの公的部門での採用はありますか?

平岡:具体的な名前は伏せますが、公的なミッションクリティカル部門でもご利用いただいています。

質疑応答:銀行業界での導入率について

坂本:銀行業界全体ではどのくらい導入されていますか? 統計的に答えるのは難しいと思いますので、感覚値でお願いします。

平岡:銀行業界でも最近「Buddycom」をご利用いただくケースが増えています。りそな銀行は窓口が1階にあり、後ろに承認者のような方たちがいます。しかし、家賃が高くなるため、カウンターだけ1階にして、ほかの部門は別の場所に移動している店舗もあります。また、銀行に行くとカウンターの外に受付の方が立っているケースがありますが、暗証番号などの確認でカウンター内に出入りすることがあります。その方たちが当社の製品を使うことで、カウンターの中にいる方とコミュニケーションがとれるようになり、中に入る必要がなくなったというケースもあります。

坂本:お客さま係のような方とカウンターの中の方の動線がスムーズになるような事例があるということですね。

平岡:バックオフィスの声もすべて聞こえるため、非常に状況が把握しやすいと思います。また、緊急事態のときの対応も考慮して、製品の導入が進んでいます。

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