今後の展開
まず、金利が急落することによってドルが急落、ドル安ならば円には独自材料がないので円高になってしまう状態です。
さらに米国では資金調達コストが上昇しているのは当然のことですが、安く調達する方法が確立されようとしているわけですから、また市場にはじゃぶじゃぶの資金があふれる可能性があります。
その資金が、ISMが低下した米国よりも、東アジアやユーロ、オセアニアに流れるのは必然となります。
さらに、資金を得た米銀、投資銀行は2月10日にも発表されるとされる日銀総裁人事に向けて準備しているようにしか思えません。
ファンドの理屈は世界の基準金利である米国が利上げを行ったのですから、日本も利上げせざる得ない状況に陥るだろう、というもっともな理屈です。
それに対して黒田さんは金融緩和継続、現状の政策は維持と表明しているのですが、退任前の総裁の言うこと、4月以降は新政策を執行するだろう、という思惑から再び、米銀・ファンドの攻勢が強まるだろうということです。
再びの円高へ?日銀vs米投資銀行が始まる
上記は米政策金利とドル円の関係になります。青の米政策金利が上昇するたびに、ドル円が円高に行っていることは明らかだと思います。特に去年の10月以降はその傾向が顕著です。
おそらく、また日本の長期金利が0.5で張り付き、円高が進行する形になるのでしょう。その対策を先日の共通担保オペの増額という形で対策を日銀は取ったのでしょう。
米ファンドは、日本は利上げの政策変更を行うとみて日本国債へのアタックを行うのでしょうが、日本は黒田体制の時点ではその変更はないように思います。ただし、黒田さんが過去に何度もサプライズを行っているので、誰もその発言を維持するか否かを信用していない、というのが最大の問題です。いつ豹変するかわからない総裁の言葉など誰が信用するのでしょうか、ということが最大の問題です。
ファンドにとって、日本国債は濡れ手で粟のようなぼろい儲け口ですので、その国債ショートを増額するのでしょう。
おそらくきょうから日銀vs米投資銀行が始まり、また、円高の流れになる可能性があります。
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『
角野實のファンダメンタルズのススメ
角野實のファンダメンタルズのススメ
』(2023年2月2日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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