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拡大するM&A市場、買うならどの銘柄?日本M&Aセンター、M&Aキャピタル、ストライクを長期投資のプロが比較分析=栫井駿介

今回はM&A仲介会社の日本M&Aセンター<2127>、M&Aキャピタルパートナーズ<6080>
、ストライク<6196>について比較・分析します。いずれも、これまで大きく成長してきた会社ですが、その成長がどこまで続くのか、競争の中でどの会社が勝ち残るのかを考えてみたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

『M&A仲介会社』とは?

M&A仲介業界はここ20年くらいで大きく成長してきた業界です。

中小企業の統廃合や事業承継の間を取り持つことが仕事です。

中小企業には、後継者がいない場合も多いのですが、簡単に会社を潰すこともできないので誰かに引き継ぎたい、そのニーズを受けてM&A仲介会社が成長してきました。

事業の流れは以下のようなものです。

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会社の財務調査などの仕事ももちろんありますが、最も重要になるのは”営業力”です。

売り手企業と買い手企業を見つけてきて案件を成立させる力が求められます。

3社を比較

東証プライムに上場しているのが、日本M&Aセンター、M&Aキャピタル、ストライクの3社となりますが、この3社を比べてみましょう。

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規模感としては日本M&Aセンターが最も大きく、M&Aキャピタルがその約半分、ストライクがさらにその半分といったところです。

営業利益率はいずれも40%~50%と高い水準になっています。

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業績の推移は3社とも右肩上がりとなっています。

M&Aキャピタルに波があるのは、売り手企業の情報を全国の地銀などから紹介してもらうよりも直接受託することが多いという特徴があるため、大手案件の有無などにより売り上げにばらつきが出るからです。

<指標比較>

投資指標で比べてみます。

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設立が最も早いのが日本M&Aセンターで、だからこそ先に地銀などとのネットワークを作り上げることができたということです。

ストライクも同様の手法を取っていますが、日本M&Aセンターの2番手という感は否めません。

注目はM&Aキャピタルの平均年収の高さです。

売上高は日本M&Aセンターの半分でしたが、従業員の数は4分の1ほどとなっており、1人当たりの売り上げが多い少数精鋭の会社と言えるでしょう。

<各社の特徴>

各社の特徴を簡単にまとめました。

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日本M&Aセンターは業界の王者であり規模も大きいものの、ノルマも厳しく、その結果”不適切会計”が発生してしまい、不安を呼んでいます。

M&Aキャピタルは、案件の直接受託が多く、業績に波があることや、「投資銀行化」を目指すような動きに特徴があります。

ストライクは、ネットを介した営業に力を入れていますが、日本M&Aセンターの2番手感を払拭できていないというところです。

Next: M&A仲介業界の現状は?長期投資対象として選ぶなら…

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