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小池都知事が進める明治神宮外苑“樹木3000本伐採”とカネ儲け再開発の出来レース。なぜ明治神宮まで加担するのか?=鈴木傾城

明治神宮外苑の再開発は日本の歴史の破壊であり文化の破壊でもある。歴史の重みや厚みを軽視し、景観を破壊し、高層ビルを建ててホテルにして、歴史的文化的価値が高い空間を「ただのインバウンド目当ての商業エリア」にしてしまうグローバル的な思考は、果たして正しいことなのか?(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

明治神宮外苑の再開発計画の施工は認可された!

2023年2月17日、東京都知事である小池百合子は明治神宮外苑の再開発計画の施工を認可した。この再開発計画は、神宮球場と秩父宮ラグビー場を解体し、ラグビー場跡地に、ホテルなどを併設した野球場を建設するというものである。

神宮球場も秩父宮ラグビー場も老朽化しているということもあって、それをリノベーションするというのであれば理解できなくもない。ところが、この開発計画を見た都民は唖然となった。
それは、神宮外苑に植えられて「百年の杜(もり)」を作り上げてきた樹木を大量に伐採するというものだったのである。

当初の計画では樹木を約1400本伐採するものだった。都民はこれに真っ向から反対し、都内に住むアメリカ人事業家ロッシェル・カップ氏などの11万人越えの署名運動や、市井の都民による草の根の反対運動、都議や政治家への陳情、あるいは右派による街宣活動などが沸き起こって、事業者は伐採を743本にすると当初の計画を修正することになった。

しかし、それで都民は納得したわけではない。別に百年の杜をぶっ壊して再開発しなくても、神宮球場や秩父宮ラグビー場をただ単にリノベーションするだけで問題は解決するのである。これだと杜を壊す必要もないし、伐採もたった2本だけで済む。

そうしないのは、要するに再開発することによって事業者も明治神宮も儲かるからである。この再開発の裏側には大物政治家もいるとも噂されているが、そうだとしたら彼らにも莫大な金が利権として流れていく。

事業者は、三井不動産・明治神宮・日本スポーツ振興センター・伊藤忠商事となっている。ちなみに明治神宮だが、三井不動産の会長である岩沙弘道、そして東京都知事の小池百合子がやっているので、事業する側と承認する側が明治神宮の内部にいて、みんなグルであることが分かっている。

修正計画「伐採は743本」は大嘘だった?

もっとひどい話がある。当初の計画は約1,400本の伐採で、それが修正計画では「伐採は743本と大幅に減らした」という話で認可されたのだが、実はそれは大嘘だったのだ。

日刊ゲンダイは2月23日に「伐採女帝・小池都知事が騙し討ち!」と報道しているのだが、実は『実際に切り倒す本数はその程度では済まない。再開発エリアの一部である神宮第二球場の解体工事だけで約3000本もの「低木」が伐採されることが発覚』ということだったのだ。

なぜこんなことになるのか。高さ3メートル未満の低木は環境アセスメントの対象外だからカウントされなかったのである。「伐採は743本と大幅に減らした」と言いながら、実際は「3メートル未満の樹木は低木なのでカウントしなかった」というのだから、言語道断だ。

ちなみに、この環境アセスメントというのは管轄は東京都環境局である。責任者はもちろん都知事である小池百合子だ。小池百合子は事業者である明治神宮の総代であり、しかも認可する責任者である。話にならないほど悪質だ。

かくして、ただ神宮球場と秩父宮ラグビー場をリニューアルすれば良いだけの明治神宮外苑を派手にぶっ壊して百年の杜をも破壊されることが決定的になった。

Next: なぜ宗教法人明治神宮まで再開発に加担?どう見ても出来レース…

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