任天堂が今月12日に発売したNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の全世界での販売本数が、14日までの3日間で1,000万本を超えたと報じられ、多くの驚きの声があがっている。
同作品は、17年発売の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(累計販売は2981万本)の続編で、前作と同様に広大な世界を自由に散策できる「オープンワールド」の仕組みを採用。
任天堂が自社ゲーム機向けに発売したタイトルのなかでは、昨年11月に発売された『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』も、発売から3日間の世界販売本数が1,000万本を突破し、過去最高の記録とされていたが、今回のゼルダの新作もそれと同水準の売れ行きとなっているようだ。
マリオ映画の世界的ヒットもゼルダ新作の追い風に
最近の任天堂といえば、アメリカのアニメ制作会社「イルミネーション」と共同で制作し、今年4月に全米公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が、今月16日時点で全世界における興行成績が12億ドル(約1,600億円)を突破。
日本国内でも4月28日に公開されて以降、週末の興行収入が3週連続でナンバー1となり、今月16日時点で累計の動員が569万人、興行収入が80億円を超えるなど大ヒットとなっている同作品なのだが、これによって任天堂への注目度がよりアップしたことが、ゼルダ新作にとって追い風になった可能性がある……との見方もあるようだ。
また今回のゼルダ新作だが、日本国内だけでも発売から3日間で224万本とバカ売れしていた模様。
このところの任天堂は、売上の約80%が米大陸や欧州といった海外が占めるということで、世界で1,000万本売れたうちの約2割が日本国内というのも、この売上の割合的にも符合するところ。
ただ、これまでのゼルダといえば、初動はそこそこなものの、その後じわじわと売れるといった販売本数の経緯を辿ることが専らとされていただけに、いきなり日本国内だけでも200万本以上売れたという今回の話に対し、「ゼルダが国内でドラクエ並の初動を叩き出すタイトルに」「初動200万とか10年前の自分に言ったら正気を疑われるんよ」などと、多くの驚きの声が。
つーかむしろ国内224万本がやばすぎる。ドラクエ7初週が180万本、ドラクエ9初週が230万本なのでゼルダが国内でドラクエ並の初動を叩き出すタイトルになった。
— Ⓜ◎ⓢⓢ@ⓡⓘ (@m0m0_0ssrr_) May 17, 2023
国内だけでゼルダが初動200万とか10年前の自分に言ったら正気を疑われるんよ
— 薪 (@STEELWANKO) May 17, 2023
ゼルダが初動でこんなに売れるソフトになったか
まあ、だいたいロンチとかじわ売れ路線だっけど、ハードが普及した状態と前作の功が奏したかね— わんわんお@DQ10 (@Toso_wano) May 18, 2023
恐ろしいのがゼルダはじわ売れタイプ…つまりこっからさらに伸びるということ
— たくまん (@takuman_FPS) May 17, 2023
ゲーム好きの間からは、この爆発的な初動にくわえて、今後も得意の“じわ売れ”でさらに販売本数を伸ばすのでは、との見方も浮上しており、早くも今年のゲーム・オブ・ザ・イヤーは確定的……といった声まで出ているようだ。
過去には「休暇の少なさがスマホゲーム全盛を招いた」と取沙汰も…
そんなゼルダ新作を巡っては、発売日だった今月12日にSNS上で「ゼルダ休暇」「ゲーム休暇」といったワードがトレンド入り。金曜日だった12日に有給を取り、週末を含めた3日間をひたすらゲームに充てる……といった向きが多かったようなのだ。
最近では、いわゆる“推し”のアーティストのライブや映画、演劇などに行く場合に使える「推し休暇」なるものを、導入する職場が出て来ているとの話もあり、今回の「ゼルダ休暇」にしても、リアルに認める職場が一部では存在したとのこと。
「職場のみんなに迷惑が掛かる」「職場の雰囲気で取得しづらい」などといった理由で、正直なところ躊躇う人もまだまだ多いといった有給休暇。過去にはそういった状況が、巡り巡って日本国内におけるゲーム事情にも影響を与えたのでは……といった話が大いに取沙汰されたことも。要は、日本でスマホゲームが大いに幅を利かすようになったのは、海外と違って自宅で据え置きゲームをじっくり楽しめる休暇が少ないから、という見方だ。
日本がスマホゲーに順応してしまって、海外が据え置きゲーがブイブイ言わせてるのって、欧米は休みが夏は一月ある上有給休暇もちゃんととれるのに日本は盆休みとか繋げてギリギリ1週間で有給休暇も白い眼で見られながらとるみたいな根本的なゲームが物理的に出来る時間の差な気もする
— 武田あらのぶ🔞既刊頒布中 (@aranobu) June 26, 2016
しかしながら、このところは日本における有給休暇の取得率が、徐々にではあるが改善しているといった話も出てきている。「推し休暇」や「ゲーム休暇」が認められつつあるというのも、そういった流れによるものと思われるのだが、そういった状況の変化も今回のゼルダ人気を後押ししている格好となっているとも言えなくはなさそうである。
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