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お金をかけたら老後貧困にまっしぐら。マイカー、マイホーム、生命保険、教育費に仕掛けられた4つの罠=神樹兵輔

マイカーの保有はなぜ無駄使いなのか?

まず最初に、マイカーの保有から見ていきましょう。

地方では、交通が不便なので、マイカーが家族の必需品になっている場合が少なくありません。

しかし、公共交通機関の利用で何とかなる……という地域に住む家族の場合は、マイカー保有は、とても不利益を被っていると自覚されたほうがよいでしょう。

レンタカーやカーシェアリングでも代用できる手があるからです。

ところで数年前まで、日本自動車工業会が、HPに公開していた自動車車両の「税負担額」及び「税に準ずるコスト」の内訳を知ると、愕然とさせられます。

1,800ccで車両本体価格180万円のクルマを購入した場合の初年度の「税負担額」と「税に関するコス」トの合計額は、なんと41万3220円で、車両本体価格の23%にも及ぶからです(当時の消費税率8%での公表値)。

これを初年度から数えて、13年間保有した場合には、227万8620円で車両本体価格の126.6%にもなるというのです。

税金の多重課税てんこ盛り状態が非常によくわかります。

驚くべきことに、自動車関連では、現在9種類もの税金が課されているのです。

車体だけでも、金額の大きいものから消費税、自動車税・軽自動車税(種別割)、自動車重量税、自動車税・軽自動車税(環境性能割)の4つもあります。

そして、燃料の課税だけでも、揮発油税、消費税、軽油引取税、地方揮発油税、石油ガス税の5つもあります。

これらの合計は、年間9兆円にも及び、租税総収入(国税+地方税)の111兆円の7.9%にも及んでいるのです(一般社団法人・日本自動車工業会の現在のHPより)。

こうした自動車の保有コストは、米国の4.8倍、フランスの2.1倍、ドイツの1.4倍だそうです。「税負担額」と「税に準ずるコスト」だけで、こんなにもボッタクリ状態となっているのです。

さらに、実際には、この他に車両本体価格、正味のガソリン代、駐車場代などを加えると、13年間の平均で987万円~1,299万円にも膨れ上がるという計算が示されていました。

しかも、これには、車検代、整備費、消耗品費、任意保険料、ローン金利は含まれていないのです。

マイカー保有だけで、13年間でかるく1,000万円以上を失うことがわかります。非常にもったいない話ではないでしょうか。

マイカーを保有している人は、一度キチンと自分のマイカーにかかる経費を計算し、5年、10年といった長期にわたるコストがどれほどかかっているのか、その総額をまとめてみるとよいのです。

こんなにコストがてんこ盛りになるマイカー保有が、いかに私たちの生活コストを圧迫しているかは明らかでしょう。

マイカーは、できることなら、保有しないことが大正解なのです。

日本でのマイカー保有は、世界的にもかなり効率の悪いことになっているからです。

マイホームは人生最大の無駄な消費

次にマイホームです。

将来、持ち家は家族の大事な資産になると思って、住宅ローンでマイホームを購入する人が多いのですが、本当にそうなのでしょうか。

ベストセラーになった投資本「金持ち父さん 貧乏父さん」を著わしたロバート・キヨサキ氏は「ポケットにお金を入れてくれるのが資産、ポケットからお金を奪うものが負債」という独特の定義で、資産と負債の関係を説いています。

そうすると、住宅ローンのあるマイホームは、「負債」に分類できてしまいます。

つまり、30年~35年もの間、住宅ローンが完済できるまで、あなたの人生を縛る足かせになってしまうものということに通じているのです。

マイホームはけっしておカネを生んでくれることがないのです。

ロバート・キヨサキシ氏は、マイホームを借金して購入するよりも、投資用不動産を借金して購入するほうが先で「純資産(借金のない資産)」の構築に励んで、お金に余裕が出来てから、マイホームを購入したほうがよい選択と述べたのでした。

たしかに、マイホームでの借金を抱えると、投資用不動産物件を購入する際の金融機関の与信余力さえもがなくなってしまいます。

不動産投資を先に行い、賃貸収入を得ることで借金を返済し、より早く資産形成するほうが、効率がよいというのは、いうまでもないからです。

多くの人が、住宅ローンで購入したマイホームを自分たち家族の「資産」と思い込んでしまいますが、確かに購入時は大部分が「負債」の塊で「純資産(借金のない資産)」ではないのです。

しかも、ローン完済後の30年~35年後には、マイホームはボロボロで、売りたくなっても、購入時の時価よりも、はるかに価値が落ちています。

借金をして「価値の減るもの」を購入すると大損するわけです。

順番を間違えると、資産形成の道が閉ざされることを覚えておくことはとても大事なことでしょう。

投資用のタネ銭をつくるためには、まずは「生活の自重」が重要なのです。

まずは、狭小で賃料の低い住居を選び、家賃や光熱費を節約し、数年かけて投資用のタネ銭を貯め、それに融資というレバレッジをかけて、中古の賃貸不動産物件を購入し、他人さまからの賃料でローンを返済していき、純資産(借金でない資産)を一日も早く築いていくことが重要でしょう。

「人と同じことをしていたら、人と同じにしかならない」からです。

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