労働者が立ち上がってこその資本主義社会?
現在の日本の労働賃金は、グローバルスタンダードから大きく外れてしまっている。
この状態を是正するために、政府は莫大な財政赤字を積み重ねてきたわけだが、それも今や限界に来ている。政府とともに企業も一緒に賃上げをすることで、個人消費の活性化を促し、日本経済が高成長のサイクルに入っていくようにするしかない
ところが日本企業の多くは、経営陣の若返りなどに戸惑い、なかなか革新的な構造改革ができなくなってきている。結局、その企業で働く従業員たちが結束して、経営改革を促すのが、今の日本経済には一番の近道なのかもしれない。
そもそも、日本経済低迷の背景には低賃金に対して不平を言わず、何も抵抗しない従順な労働者の姿も一因になっていたはずだ。最近になって労働組合の最大組織である「連合」が、2024年春闘の賃上げ要求を「5%以上」にすると発表したが、早くも明治安田生命が年収ベースで「7%」の賃上げを実施すると報道されている。賃上げでリーダーシップをとれない労働組合が最大組織である点が、現在の日本の労働組合の弱体化を象徴している。
ここに来てなお、労働組合の多くは会社に忖度する姿勢を崩していない。日本経済が復活するためには、もはや労働組合が頑張るしかない。政府と企業に任せていても、犠牲になるのは労働者なのだから……。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2023年11月10日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による