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『呪術廻戦』はサイバーエージェント株を救うか?株価が上がる3つの条件。長期投資家が注視するAbema黒字化の時期=佐々木悠

減収減益が続くゲーム事業

ゲーム事業では、主にスマホゲームの制作・配信を行っています。

最大のコンテンツは、2年前に爆発的にヒットした、「ウマ娘 プリティーダービー」です。

今期はそのウマ娘が、通常のヒット作へ落ち着いたことで、ゲーム事業は減収減益となりました。

【ゲーム事業】
売上高 1,729億円(▲21.6%)
営業利益 227億円(▲62.5%)

作期はウマ娘のヒットを継続させるために、2.5周年イベントアニメなど話題を欠かさないための取り組みを行いました。また23年9月にリリースした「FINAL FANTASY Ⅶ EVER CRISIS」も、ウマ娘ほどではありませんが、まずまずのスタートを切りました。

しかし、トータルで見れば、大ヒットのからの反動で減収減益となりました。

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出典:サイバーエージェント 23年9月期決算説明資料

そして、ゲーム事業では大きなトピックがあります。

今年5月にコナミがウマ娘による特許侵害に基づき訴訟を起こしている、と報道されたことです。その内容は約40億円の損害賠償などを請求していること、さらにウマ娘の配信停止を求めるという内容です。

コナミはパワプロのサクセスという育成ゲーム特許を保有しており、ウマ娘のゲーム仕様が特許侵害になる、と主張しているのです。

サイバーエージェントは23年9月時点で現金を約2,000億円保有しているため、賠償金40億円は会社を揺るがすほどのダメージはないと思います。

しかし、配信停止の可能性があるだけでも、ユーザーは課金を控え収益性が悪化することは間違いないでしょう。さらに、配信停止ともなれば追加コンテンツ発表などビジネスチャンスの喪失、(仮ですが)ゲームウマ娘2や映画ウマ娘が出しずらいなど悪影響も考えられます。

この訴訟に関する新しいニュースは見当たりません。続報を待つしかないでしょう。

黒字の兆しのメディア事業

メディア事業の最大のサービスは、ネットテレビ Abemaの運営です。その他にもマッチングアプリ「タップル」や、公営ギャンブルの仲介サービスのWINTICKETの運営を行っています。

特にAbemaはサイバーエージェントの今後の柱となるべく、育成中の事業です。投資が継続していることから赤字です。しかし、赤字幅を縮小させて着地しました。

【メディア事業】
売上高:1,411億円(+25.9%)
営業利益 ▲115億円(+8億円)

2016年から始まったAbemaは、メディア事業の利益を圧迫していました。

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出典:各年度決算短信より作成

作期はワールドカップ放映権の獲得のために大規模投資を実施。今後も4年に一度のワールドカップの放映権を獲得し続ける方針です。

しかし、その中でも前年を上回る業績で着地できた理由は、Abemaの周辺事業であるWINTICKETが好調であるためです。WINTICKETは競輪・オートレースのネット投票サービスです。Abema内では競輪・オートレースのチャンネルがあるため、Abemaが成長すればWINTICKETの収益が拡大する関係になっています。そして昨期はこのサービスの収益拡大が、ワールドカップの投資を上回りました。

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出典:サイバーエージェント 23年9月期決算説明資料

さらに23年9月期4Qだけ見れば、黒字化する未来も見えてきました。赤字ながらも改善が進んでいるのが、このメディア事業です。

Next: 長期投資家は買いか?株価が上がるための3つの条件

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