モデルのアンミカさんを起用した日清食品「日清のどん兵衛」の新CMに対して、SNS上でかなり激しい拒否反応が巻き起こるという、異例の状況となっているようだ。
渦中のCMは、今月6日から公開されている「最強アンミカーニバル 篇」。同社サイトにあるCMの企画意図によれば、「アンミカさんのミュージックビデオ「アンミカーニバル」のオマージュで最強どん兵衛が「麺・おあげ・出汁・七味」どれを取っても主役なことを伝えています。」とあり、自身の名言である「白って200色あんねん」にかけたと思われる「わたしは200食たべた」などの歌詞が盛り込まれたCMソングを、アンミカさんが歌いまくるといった内容。
ところがその公開直後から、SNS上ではこのCMに対しての批判的な声が相次ぐことに。具体的な内容としては、なぜ吉岡里帆を降ろしてアンミカなのか……といった声にくわえ、アンミカさんが過去に行った数々の“反日”的な発言を俎上にあげ、こういった人間がCMで出てくるのは不愉快といった反応も多くあがっているようなのだ。
吉岡里帆ちゃんから何故アンミカ? pic.twitter.com/c0qSbndQOK
— 松村尚和(Hisakazu Matsumura) (@matsuhis1) December 7, 2023
日清食品広告宣伝部部長殿
この度どん兵衛のCMに起用したアンミカというタレントですが、同氏は「日本は世界の恥」と公言し、自らが密入国者であると語ってます。
この様な反日感情剥き出しのタレントを起用するに至った経緯をお答え頂きたい。
テレビで連日放映される度に不快な気持ちで一杯です。 pic.twitter.com/EeEUcVuyqV— ダニエル (@daniel_0831) December 7, 2023
「日本は世界の恥です」発言が波紋を呼んだことも
「日清のどん兵衛」のCMといえば、ご年配の方だと山城新伍さんと川谷拓三さんの名コンビによる一連のCMを思い浮かべる方もいるかもしれないが、近年では星野源さんと吉岡里帆さんが出演する「どんぎつね」が、そのまったりとした空気感も支持されるなど人気のCMシリーズに。
ただ日清食品のCM全体に関して言えば、ここ数年は「意味不明」「狂気じみている」といった感想も多くあがるような、かなり尖ったCMを乱発する傾向に。そんななかで、吉岡里帆さんらが出演するCMシリーズは放映終了となったようで、その代替としてある意味で悪目立ちする格好となったのが、今回のアンミカさん起用のCMだったようだ。
いっぽうでアンミカさんといえば韓国・済州島生まれ、大阪市育ちのモデルだが、最近ではタレント活動にくわえ、ジュエリーデザイナーやアパレル関連・化粧品などのプロデューサー、さらに執筆や講演活動など多方面で活躍。
テレビなどでも見かけない日はないといったほどの人気ぶりなのだが、そのいっぽうで彼女は以前「家族で小舟でやってきた」といった、まるで密入国の過去があったことを想起させるような、実話なのかネタなのか取れないトークをしていたことがあるということで、一部には彼女を「不法滞在者」だと白眼視する向きも存在。
さらに、2022年に自民党の衆議院議員・杉田水脈氏が、LGBTQなどの性的少数者に「生産性がない」との差別的発言をし大騒動となった際に、テレビ出演したアンミカさんはその発言を批判する流れで「日本は世界の恥です」とコメントしたこともあったよう。このことで彼女のことを“反日タレント”だと認識する者が増えたようなのだ。
デーブ・スペクターとか厚切りジェイソンが嫌いな層も一定数いるんだろうから、
やたらアンミカさんだけへの風当たりが強くなってるのは国家間や人種間の対立というよりは不法に入国してきたやつが稼いでるのはおかしいっていう人間としての感情もあるんだろうねま、なんともいえん部分もあるね
— イオある (@M2OKEk0KUUgjtyU) December 8, 2023
何で日本企業は愛国心のない人を広告に採用するのでしょうかね、自虐的すぎますよ。アンミカさんが杉田議員を批判するのは自由ですが、それで「日本は世界の恥」とこじつけるには普段から余程の憎しみが無ければ言えないと思います。 https://t.co/lfjAPG5DVc pic.twitter.com/2ab3ai4eHB
— Sachi ダーウィンAus. (@sachihirayama) December 8, 2023
そういった背景があったうえでの今回のアンミカさんのCM起用だったということで、SNS上でも特に右寄り・保守的な信条の持ち主からの、日清食品への批判が相次ぐことに。
現状では今回の騒ぎによって、日清食品の株価などに大きな影響が出ているといったことはないのだが、ただその声は、同社商品に対する不買を呼びかける声、さらに同じカップそば・カップうどんなら「マルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき」を食べるべし、といった声にまで発展している状況だ。
ライバル社CMに出演の武田鉄矢は右傾化
ところでCM出演者ということで言えば、今回ガラッと変わってしまった「日清のどん兵衛」に対し、「マルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき」のほうはというと、1978年の同商品発売当初から、あの武田鉄矢さんが出演。2019年には、「同じ俳優を起用したテレビCMを最も長い間放映し続けている商品」ということで、ギネス世界記録に認定されるほどの長寿シリーズとなっている。
そんな武田鉄矢さんといえば、最近では今年3月にあったガーシーこと東谷義和容疑者が逮捕された際に、彼を擁護する発言をしたことで大炎上となったことも記憶に新しいが、さらに遡ること2013年には、自身のラジオ番組において「中韓にいくらおわびしても同じ」「謝っても日本許す気ない」などの発言をし、「あの金八先生が右傾化」と世間を大いに驚かせたことがあった。
その後も、自身の“教え子”である自民党の三原じゅん子議員のパーティーに参加し、生前の安倍元首相らとともに野党批判を展開するなど、今ではすっかりゴリゴリの保守論者として世間から認識されている武田鉄矢さん。
そうなると今回の「日清のどん兵衛」CMへのアンミカさんの起用は、ライバル商品のCMに長年出続けるそんな武田さんへの、ある意味での“当てつけ”といった意味合いも帯びる起用であるとも、考えられなくもないところだが……。とにかく、あれほど人気だった「どんぎつね」吉岡里帆さんを降ろした理由も含め、アンミカさんを起用した日清食品側の目的が図りかねぬといった声は、かなり多いといった状況のようだ。
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