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株価ピークから8割減「バルミューダ」株は買いか?スマホ事業失敗だけじゃない赤字転落の理由。唯一の活路とは=山口伸

次のヒット作がなければ細々と…

バルミューダが再起するには、家電分野で新たなヒット作を生み出すしかない。

実際に同社は早急な黒字化を目指しており、今後の具体的な施策として以下の3点を掲げている。

1. 売上利益率の改善
2. 固定費の圧縮のほか
3. 家電カテゴリー製品の積極的な展開

(1)は値上げや製品工程の見直し、(2)は人員体制・組織の見直しだ。(2)に関連して言えばすでにリストラを進めている。

肝となる(3)は新製品の投入や海外展開だ。新製品に関して、今年はトースターやレンジなど既存製品のリニューアルを実施したほか、10月には高級ホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」を発売した。同製品は高級感のあるデザインと、お店のような鉄板焼きを再現できるとして一定の話題を得ている。だが、現時点でトースターには及んでいない。

次のヒット作が無くても企業として残ることはできるだろう。今期は第3四半期段階で赤字とはいえ自己資本比率は60%台をキープしており、危機的状況にあるわけではない。ファブレス企業として工場を持たず、身軽なためだ。だが、数十億円規模の売上高で細々と続けることになってしまう。

バルミューダ<6612> 週足(SBI証券提供)

バルミューダ<6612> 週足(SBI証券提供)

再度注目されるには機能とデザイン性を両立する新製品を出す必要がある。バルミューダはスマホ事業での失敗から、性能軽視の危険性を学んだはずだ。次なるヒット作を生み出すためには、芸術性偏重の姿勢を改める必要があるかもしれない。

image by: yu_photo / Shutterstock.com
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2023年12月25日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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