課題その3:LINEヤフー傘下として生まれ変われるか?
出前館は、LINEグループの傘下になったという経緯がある。それはつまり、従来から在籍している社員と、LINEの傘下になってからLINEあるいは外部から入ってきた社員など、背景が異なる人材がいることを意味する。
待遇や評価において、親会社・グループ会社との垣根をできる限り最小化し、優秀な人材を出前館に送り込んだり、グループ間で協業することを推進していくべきだろう。
いま出前館がやろうとしていることは、長年やってきたフードデリバリーの延長ではできないことだ。競争の激しいクイックコマースで優位に立つには、AIをフル活用している競合のグローバル企業と戦って勝つ必要がある。それには、LINEやYahooと協業するといった、いわば「ビジネスモデルの再定義」が必要になるだろう。そのような変革期にあるため、優秀な人材の確保と、LINEヤフー傘下としてグループの強みを活かすことが重要になってくる。
LINEヤフーは、グループ内の赤字企業を高収益企業に立て直すことができるのか。それが問われているとも言えるだろう。
まとめ
出前館は現在、業績回復に向かっており、黒字化も視野に入りつつある。今後、LINEヤフーグループの一企業として成長が見込めるだろう。一方で、業績を回復するにあたっては、顧客体験の向上、収益性の確保、グループとしての一体感…といった課題を乗り越える必要がある。
いま足元では、時価総額が現金より低いという割安の株価となっている。そのため、さらなる下落リスクは限定的とも言えるし、少額から投資しやすくなっている。
今後、出前館がホンモノかどうかをチェックしていきつつ、まずは少額から投資を始めて、上昇が見込めそうなら徐々に買い増していくのがよいと考える。出前館への投資を検討するのであれば、まずはサービスを使ってみること、ホームページで会社を知ることから始めてみてはいかがだろうか。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2024年6月28日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による









