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買収騒ぎ「セブン&アイ」株は売りか買いか?今後の展開と長期投資家が持つべき視点=栫井駿介

売るべきか、買うべきか?

今回のクシュタールによる買収提案を踏まえ、買収が成立する可能性が高くないことを考慮すると、短期的には株価が上昇している今のタイミングで売却を検討するのは賢明な選択肢と言えるでしょう。この買収提案が頓挫した場合、株価が再び下落するリスクは十分に考えられます。

セブン&アイの現在のROEは6%台と低く、PERも約18倍と決して割安とは言えない水準です。このため、株を売却して利益を確定させることに対して、もったいないという感覚はあまりありません。

しかし、長期的には今回の買収提案がきっかけとなり、セブン&アイの経営陣が危機感を持ち、企業価値の向上に取り組む可能性も考えられます。具体的には、イトーヨーカドーのIPOや事業再編のスピードアップが期待されますが、現状ではまだ進展が遅れている印象です。経営陣が本気で改革を進め、成長戦略を打ち出せるかどうかが、長期的な投資判断において重要なポイントとなります。

日本の株式市場全体にとっても、セブン&アイが再び成長力を取り戻すことは重要な意味を持ちます。もし経営陣が確固たる成長戦略を示し、実行に移すことができれば、セブン&アイの株を長期的に保有する価値が見えてくるかもしれません。

【関連】株価ダダ下がり「セブン&アイHD」海外事業が足枷に?長期投資家が見るべきリスクと成長性=栫井駿介


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Image by:yu_photo / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2024年8月22日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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