他の国の状況
では、その他の国はどのような状況なのだろうか?以下のようになっている。
<インド>
インドは、グローバルな研究イノベーションと卓越性の主要な中心地として台頭しており、科学技術大国としての地位を確立しつつある。米国、英国、そしてヨーロッパ、北東アジア、中東のさまざまな国々は、新興の科学技術大国の取り組みが加速しているにもかかわらず、いくつかの主要な技術分野において、多大な影響力を持つ研究における強みを維持している。
インドは現在、64の技術分野のうち45分野でトップ5にランクインしている。昨年は37分野だった。新たに2つの技術分野、生物学的製造および分散型台帳、で米国を追い抜き、64分野のうち7分野で2位にランクインしている。
<EU諸国>
EU諸国の中で最も高い実績を上げているのはドイツである。最近の調査では、ドイツは27の技術分野でトップ5に入っており、イタリアは15の技術分野でトップ5に入っている。一方、フランスは遅れをとっており、トップ5に入っているのは3つの技術分野のみである。
2003年から2007年までで歴史的に見ると、やはりドイツはヨーロッパで最も優れた国であり、45の技術分野でトップ5に入っている。これに対し、フランスは32分野、イタリアは10分野である。
<英国>
英国の順位は低下した。英国は36の技術分野でトップ5に入っているが、これは昨年の44の技術分野から減少している。
2003年から2007年の結果を概観すると、英国は47の技術分野でトップ5に入っている。英国がトップ5から脱落した技術は、さまざまな分野にわたっているが、その多くは先進材料、センサー、宇宙関連の技術などである。
例えば、2003年から2007年では、英国は衛星測位およびナビゲーション、小型衛星で2位、宇宙打ち上げシステムで3位となっている。しかし、最近の実績では、英国はこれらの技術でそれぞれ6位、8位、9位となっている。電子戦や指向性エネルギー技術などの防衛関連技術では、特にいくつかの成果を上げている。
<イラン>
イランは防衛関連の技術に秀でている。過去5年間の実績を基にすると、イランは64の技術分野のうち8分野でトップ5に入っており、先進材料および製造、バイオテクノロジーに強い。イランはスマートマテリアルおよび空気非依存推進技術で3位にランクされている。2003年から2007年にかけて、イランの最も優れた業績は機械学習の17位であった。
空気非依存推進技術では、イランはトップ10機関のうち3つを占めている。「テヘラン大(5位)」、「イスラム自由大学(7位)」、「シャフルード工科大学(9位)」である。実際、空気非依存推進、スマートマテリアル、先進的データ分析の分野において、トップ10にランクインした機関を有する国は、中国以外ではイランのみである。
「イスラム自由大学」はイランのトップ機関であり、最近の業績に基づくランキングでは、メッシュおよびインフラストラクチャ非依存型ネットワーク(1位)、ドローン、群れ行動ロボットおよび協調ロボット(8位)、スマートマテリアル(7位)、先進データ分析(7位)、抗生物質および抗ウイルス剤(6位)、バイオ燃料(8位)の6つの技術分野でトップ10入りを果たしている。
韓国と日本
韓国のパフォーマンスは、日本が取り組むべき課題があることを示している。
韓国はAIやエネルギー、環境分野を中心に、24もの技術でトップ5に入っているが、日本は広帯域および超広帯域半導体と原子力エネルギーの分野で強みを発揮しているものの、トップ5に入っているのはわずか8分野にとどまっている。2003年から2007年を振り返ると、ハイテク産業の強さという点で似た歴史を持つ両国は、この20年間でほぼ立場が逆転しており、当時、日本は32の技術分野でトップ5にランクインしていたのに対し、韓国は7分野だった。
これを見ると分かるが、日本は韓国に完全に追い抜かれたようだ。両国の順位は逆転している。