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サイゼリヤ、中国デフレ化で稼いで業績絶好調。今後の成長性と投資リスクは?=澤田聖陽

イタリアンレストラン大手のサイゼリヤは、2024年8月期決算で売上・利益ともに予想を大幅に上回る好成績を記録しました。特に中国を中心としたアジア市場が牽引役となり、営業利益の約78%をアジア事業で稼ぎ出しています。一方で、中国経済の低迷や地政学的リスクが今後のビジネス展開に影響を与える可能性も懸念されています。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2024年10月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

業績絶好調のサイゼリア

10月9日、イタリアンレストランチェーン大手のサイゼリヤは2024年8月期の決算を発表した。決算数値は以下のとおりで、売上・利益ともに前年同期比で大幅増となった。

<2024年8月期決算数値>

売上:224,542百万円(前年同期比22.5%増)
営業利益:14,863百万円(前年同期比105.8%増)
経常利益:15,585百万円(前年同期比96.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:8,149(前年同期比58.1%増)

また直前まで開示していた業績予想は以下のとおりであり、業績予想数値を大幅に超過する好決算であった。

<業績予想>

売上:211,000百万円
営業利益:13,100百万円
経常利益:12,800百万円
親会社株主に帰属する当期純利益:6,500百万円

中国を中心とするアジア事業が好調

好決算の主要因は、中国を中心とするアジア事業(中国、台湾シンガポール)の好調だ。2024年8月期の各地域別の売上、営業利益は以下の通りとなっている。

<サイゼリヤ(日本)>

売上:146,455百万円(前年同期比121.6%増)
営業利益:2,737百万円(前同期は▲1,491百万円の赤字)

<豪州>

売上:10,835百万円(前年同期比145.5%増)
営業利益:473百万円(前年同期比190.6%増) 

アジア

売上:79,379百万円(前年同期比126.5%増)
営業利益:11,619百万円(前年同期比137.5%増) 

会社全体の営業利益14,863百万円の78%にあたる11,619百万円を、中国を中心とするアジア事業で稼いでいる状況だ。

同社は中国で上海、広州、北京、香港などを中心に出店しており、2024年8月期末時点での台湾も含めた中国の店舗数は498店舗(その他にアジア地域ではシンガポールに33店舗出店している)であるが、これを中長期的に1,000店舗まで増やすことを見込んでいるようだ。

将来的な中国での1,000店舗への布石として、中国子会社である広州サイゼリヤが約3,000万ドル(40億円強)を投じて中国広州に新工場を建設する予定であり、すでに着工している。

新工場は2026年1月の稼働を予定している。

Next: 中国経済の変調をどう乗り切る?サイゼリアの戦略は……

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