クレジットカード不正利用被害が過去最高に達しています。国内カード業界は新たな不正対策システムを導入していますが、被害はあとを絶ちません。どんなに気をつけていても、クレジットカードを持っているだけで不正利用される時代に突入しています。(『 らぽーる・マガジン らぽーる・マガジン 』原彰宏)
※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2024年11月25日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
クレカ不正利用の被害額「過去最高」
2024年9月に、一般社団法人日本クレジット協会から2024年4月~6月のクレジットカード不正利用被害額まとめが公開されました。
それによると、2023年のクレジットカード不正利用被害額は、過去最高の540.9億円となりました。2024年4月~6月までのクレジットカード不正利用被害額は、前年の同時期と比べて3億円増加の144億円でした。
不正使用の内訳は「偽造カード被害額」「番号盗用被害額」「その他不正利用被害額」になっています。
「番号盗用被害」とは、カードそのものの盗難や偽造・変造を伴わず、クレジットカード番号などの情報だけで不正に決済されたものです。
非対面でのカード決済は、番号を記入して利用できる場所で不正利用されるもので、主に「ECサイト」で不正に利用されています。
クレジットカードの持ち主には、不正利用されたことがわからないのですね。
特筆すべきは、成人年齢が18歳に引き下げられたことにで、20歳未満の若者がクレジットカードを作成することができるようになったことにより、若者を狙ったクレジットカード情報を盗むフィッシングなどの迷惑メールが横行しているということです。
一般的に18歳・19歳の世代は情報に疎く、社会の荒波にまだ揉まれてはいませんよね。
そして、学校でも金銭教育はなされないままですので、こういった詐欺への対処法もわからなければ、クレジットカードを使うことはどういうことなのかも正しく理解していません。
何も学んでいないし、大人から教わってもいないのです。
卑劣な「少額詐欺」。クレカを作っただけで被害に遭うケースも
さらに、「詐欺の悪質さ」を物語っているのが「少額詐欺」です。「少額」なクレジットカードの不正利用被害が相次いでいるのです。
もっと恐ろしいのは、所持しているクレジットカードを使っていなくても、不正利用されてしまうおそれがあるということです。クレジットカードを作っただけで、詐欺の被害に遭うということです。
こんなことはありませんでしたか…?
ガソリンを入れるときにしかクレジットカードを使っていないのに、明細にはガソリンスタンドでの利用が並ぶなか、大手IT企業の名前が記載され「160円」利用したとの記録が、なぜか出てくるということ身に覚えはありませんか。
「160円」なんか、つい見逃してしまいますし、目についたとしても、何に使ったかは想像もできないですし、「きっと何かに使ったんだ」と妙に納得してしまいますし、少額だからということで、何も考えずについ“スルー”してしまいますよね。
塵も積もれば山となる…。
実際、少額でもクレジット会社から返金はされます。
でも、無事返金されたとしても、クレジットカードの番号をわざわざ変えるため、カードを作り直すことになります。次の不正利用を避けるために…。
コロナ禍でもあり、ネットショッピング利用者が増えていることもあり、使用されるカード数も増えています。
情報を抜き取るフィッシング詐欺などの被害も増えております。さらに恐ろしいのは「クレジットマスター」です。
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