レーザーテックの株価はなぜ下落している?
レーザーテックの株価は、2025年1月現在下落しています。

レーザーテック<6920> 週足(SBI証券提供)
株価下落の理由の1つとして、スコーピオン社から不正会計が疑われていることが要因の1つと考えられます。
スコーピオン社とは、アメリカの空売り専門のファンドです。
レポートの内容としては、公表しているほどの受注がないのではと疑われています。
その内容を懸念した投資家たちが、株を売却しているのが株価下落理由の1つとしてありそうです。
レポート内容に関してつばめ投資顧問は、レーザーテックは不正会計ではないと考えています。
会計の観点から見るとスコーピオン社のレポートは正しいことを述べているように見えますが、商流の流れでみるとおかしな流れではありません。
レーザーテックの欠陥検査装置は、外部委託で製造しています。
顧客企業から受注を受けて納品するまでの、リードタイムは約2年です。
その長いリードタイムがある中で、レーザーテックの欠陥検査装置の需要が一気に増えました。
仕掛かり品という最終製品を組み立てるための部材が、会社の中で長い間滞留してしまうことは仕方ないことだと考えます。
そのため、不正会計ではない可能性が高いとみています。
レーザーテックの将来性を長期投資の観点から解説
レーザーテックの調子に大きく影響することは、買いたくなるスマホが出てくるのかです。
ただそれがいつになるのかわかりません。
目先のことがわからない企業は、長期でみることが大事です。
そこで長期的な目線で、レーザーテックを見るとき重要になってくるのが以下の内容です。
- 最先端の半導体に将来性はある?
- レーザーテックの競合は?
それぞれ解説します。
<最先端の半導体に将来性はある?>
つばめ投資顧問は、最先端の半導体には将来性があると考えています。
半導体を微細化していくことに限界が見えはじめている見方もありますが、それでも半導体の進化は続くとみています。
なぜなら生成AIの登場によりデータセンターが増えていきますが、それに伴い消費電力の問題がでてくると予想されるからです。
データセンターとは、AIサービスを提供するためのシステムやサーバーを格納する施設のことです。
基本的には、最先端の半導体になるほど消費電力を抑えられます。
データセンターが増え消費電力の問題がでてくると、最先端の半導体の需要が増えてくると考えられます。
またスマホの機能がAIによりさらにグレードアップしてくると、そこでも最先端の半導体が必要になってくるためです。
このことから、最先端の半導体は将来的にみても常に求められるものになると考えています。
<レーザーテックの競合は?>
現在、最先端の半導体に使われるマスクの欠陥検査装置のシェアは100%ですが需要が増すと競合がでてくると考えられます。
そこで一番の競合である、KLAの状況について見ていきます。
KLAは欠陥検査装置を作っていますが、現状最先端の半導体に対応した装置は手掛けられていません。
ですが、2025年には最先端の半導体を検査できる装置をだすかもしれないと言われています。
これについてつばめ投資顧問の見解として、近々でKLAの欠陥検査装置が実装されることはないとみています。
なぜなら、レーザーテックの技術力や特許状況を見てもKLAとレーザーテックでは差があると考えるからです。
KLAは、自社で光学技術を磨いて培ったノウハウではなくM&Aなどで獲得してきた技術を応用して製造しようとしています。
対してレーザーテックは、元々存在してなかった装置を顧客企業の要望に応えるため研究開発を積み重ねて欠陥検査装置を作りました。
そのため、レーザーテックとKLAには技術や実績に差があると言えるでしょう。
またKLAからすると、欠陥検査装置ではなくもっと大きなところでシェアをとることを優先することが重要です。
このことから、レーザーテックの現状の地位がすぐに揺るがされる可能性は少ないと考えています。
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