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フジテレビはこのまま潰れるのか?現在の経営状況、過去の栄光と失敗から考える生存戦略=栫井駿介

フジテレビの失敗

ここではフジテレビの失敗として、後になって尾を引いてしまったことについてみていきます。

<堀江貴文氏による買収>

フジテレビとニッポン放送の上場が、ホリエモンこと堀江貴文氏に付け込まれる隙となってしまいます。

ニッポン放送はフジテレビの株を持っていましたが、フジテレビよりも時価総額の低いニッポン放送を買収すると実質的にフジテレビを支配できると堀江貴文氏は気づきました。

そこで2005年に堀江貴文氏が、ニッポン放送を買収しようとしましたが結果的には失敗しました。フジテレビは上場させたからといって、意図しない買収をされるとは想定していなかったと思われます。

ちなみにこの件は、見方によっては新たな時代への変化のはじまりともとれます。

フジテレビは、これまで日本テレビとの競争でした。ですが、この件でインターネットとの競争や融合などへと進んでいく新たな時代となっていくことを示唆した出来事の1つだったとも見られます。

<社屋の移転>

1997年にフジテレビは、社屋を新宿の若松町からお台場に移しました。

本来、単に本社を移転しただけなら問題ではありません。

ですがフジテレビのテレビ事業のコアは、テレビ番組を作っている人が生み出すアイデアです。

そもそもフジテレビがよくなってきたのは、番組を作っている人たちが大部屋の中で議論をしてきたことにあります。

だからこそ、視聴率ナンバーワンに躍り出たといえるでしょう。

ところが、移転により大きな社屋に移ったことで人の交流が生まれにくくなりました。

お台場は交通の便がいいとはいえないため、社員が飲み会で交流することも少なくなりました。

また、フジテレビがよくなるきっかけとなった大部屋も移転により廃止されています。

このように、フジテレビが不安定になるきっかけの1つがここで出てきます。

過去の不祥事から視聴率の推移をみる

今回の不祥事が、フジテレビの視聴率にどの程度の影響を与えるのかを考えてみます。

まずは過去に起こした不祥事を紹介し、その後視聴率はどうなったのか見ていきましょう。

<発掘あるある大事典>

発掘あるある大事典とは、フジテレビの系列の関西テレビが撮っていた番組です。

主に、データ検証を元に健康のための食事について紹介する内容を放送していました。

その中で納豆ダイエットというものを紹介した際に、検証の時の数字を誤魔化してあたかも納豆に特別な効果があるように見せていたことが発覚します。

この結果、視聴者の信頼を失い2007年に番組は打ち切りとなりました。

<ほこたて>

ほこたてとは、交わることのないトップ同士を戦わせて勝敗を決める番組です。

たとえば、絶対に穴が開かない金属にどんな金属にも穴の開けられるドリルで穴をあけようとするとどうなるのか検証し、勝ち負けを決めるような内容です。

ですがある企画の中で、どちらかを勝たせようとするやらせをしていることが判明しました。

そのため番組は2013年に打ち切りとなり、フジテレビに対する信頼がさらに落ちるきっかけとなりました。

<その時期の視聴率の推移>

このような不祥事が起こる中、フジテレビの視聴率はどうなったのか見ていきましょう 。

出典:日本と世界の統計データ テレビ各局の視聴率推移

出典:日本と世界の統計データ テレビ各局の視聴率推移

2006年までフジテレビの視聴率は首位でしたが、不祥事がおきた2007年あたりから下がりはじめます。

そこから右肩下がりとなり、テレビ東京を除くと最下位となっています。

【関連】低迷フジテレビは誰のせいで「誰も観たくないチャンネル」になったのか?=栫井駿介

ですが、これだけ視聴率が落ちてもフジテレビは改革ができませんでした。

考えられる理由としては、過去の成功体験に縛られすぎたが故に、いい番組を新たにゼロから作れる能力がなくなってきたことが原因と思われます。

過去の例から見ても、今回の中居正広氏の不祥事でさらに視聴率を落とすと予想できます。

Next: 経営危機に?フジテレビの現在の経営状況について解説

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