フジテレビの将来性は?
これまで過去を振り返り、現在までみてきました。
この章では、将来のフジテレビの行方やどうすれば将来よくなるのかについて解説します。
<フジテレビは現状過去の遺産で保っている>
フジテレビは昔のように、面白い企画をゼロから作れないと将来性としては厳しいです。
フジテレビが今なんとか稼げているのも、過去の遺産があるからでしょう。
たとえば、BSがかつての人気番組である「踊る大捜査線」などを放送しニッチな視聴者を捉えてうまくやっていることが大きいです。
また不動産は手堅いですが、これがあるから逆にフジテレビ本体の改革に着手できていない部分もあると思います。
グループ規模でみてうまくいっているとしても、フジテレビ自体は今現在行き詰まっていて対策を打たないといけない状況だといえます。
この現状を打破しないことには、将来はさらに苦しくなる一方でしょう。
<なにかしら手を打つ必要がある>
現状としてフジテレビは危機的な状況にあり、ここに大きなメスを入れないといけない状態です。
実際、テレビ自体のパワーはまだあるといえます。
テレビの視聴率が下がってきたとはいえ1%の視聴者が見たら、日本の1%なので100万人が見ることになります。
YouTubeの動画で100万回再生されると大ヒット動画です。
現状のフジテレビは、いま持っているはずのパワーを完全に無駄にしているといえます。
いまの時点でグループ全体に影響を及ぼすほどではありませんが、フジテレビを使えばもっとフジ・メディア・HDは今後もっとよくなるでしょう。
逆にそれをやらない経営者は、間違いなく無能だといえます。
まとめ
フジテレビは2代目の議長である鹿内春雄氏がフジテレビの礎を作り上げ、80年代90年代はうまくいっていました。
ですがその後は、日枝氏をはじめとする反鹿内派によるクーデターにより経営が不安定になりました。
また、社屋の移転などにより足腰が弱まってきている状況です。
経営体としてはうまくやっているが故に、本体にメスが入っていないのではないかと思います。
ここにメスを入れられたら、ある意味まだフジテレビは力を持っているといえるでしょう。
一方で今回手を打てないなら、イメージが地に落ちているのでそのまま消えてしまう恐れもあります。
そのため、いまフジテレビがやるべきことは多くの視聴者にイメージの大改革に取り組んでいる印象を与えることです。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年2月2日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。