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「トランプ大統領」リスクを読み始めた米国~まさかの“利下げ”観測も=斎藤満

安倍政権もすでに認識か。広がる「利上げ困難、ドル安」のムード

もっとも、ブラード総裁も年内に1回の利上げを想定し、あとは利上げなしを見込んでいます。年内の利上げは、英国がEUに「残留」なら7月にワンチャンスあり、その後は次第に利上げが難しくなる面があります。

対中冷戦を進める米国からすれば、一旦は利上げで中国経済を叩いておくシナリオも無視できません。その場合は夏以降市場の混乱が予想されます。

いずれにしても、トランプ大統領を想定すれば、FRBは利上げが困難になり、景気の先行き不安も高まって低金利の長期化が予見されます。

トランプ氏の口から「米国第一」「偉大な米国」との発言が聞かれ、これにはネオコンの影響が伺われます。「偉大な米国」ではドル高が選好されやすく、大統領就任後に変わる可能性を秘めているものの、当面はドル安が意識されやすくなります。

この辺の事情は日本にも伝わっている可能性があり、すでに安倍総理からは円高けん制の発言が消え、麻生大臣も一転して「安易に為替介入はしない」との姿勢を見せました。

為替は、トランプ効果で利上げなし、となってもドル安円高、7月だけ利上げでも中国など市場の混乱でリスク・オフの円高となります。英国がEUに残留してもこれは止められません。

11月の選挙でクリントン氏が勝てば、FRBは12月以降に利上げのチャンスが到来しますが、それまでは「トランプ大統領」の影がちらつくたびに利上げ困難、ドル安のムードが広がりやすくなります。

ブラード総裁の変節発言は、そのままFRB内部の動揺を反映しているのかもしれません。

【関連】英国EU離脱「本当のリスク」~欧州に手を伸ばすプーチンと米ネオコンの狙い=斎藤満

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マンさんの経済あらかると』(2016年6月22日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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