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森永乳業「ビエネッタ」終売に氷河期世代から嘆きの声。メリカリでは“空箱”まで出品中と駆け込み需要で極度の品薄状態に

森永乳業のケーキアイス「ビエネッタ」が、今年3月末をもって販売終了となることが同社から発表されたことが、大きな波紋を呼んでいるようだ。

同社のリリースによれば、終売となるのはこれまで発売されてきた「ビエネッタ バニラ」「ビエネッタ ティラミス」「ビエネッタカップ バニラ」の3商品。終売の原因はライセンス契約の終了だと同社は説明している。

Z世代の認知度は40代の10分の1程度まで低下していた

日本では1983年9月に販売を開始したというビエネッタといえば、チョコレートとアイスを何層にも重ねた独自製法を採用したことによる、パリパリとした独特の食感が特徴。

なんでも日本国内で発売される際に森永乳業は、乳成分の配合量の多い「アイスクリーム」の規格にこだわったことで、層状の形を維持するのに苦労したということで、それゆえ製法の技術的なハードルが高くなり、かえって他社に模倣されず、独自のポジションを確立できたということ。

また積極的なテレビCM展開等でその知名度を上げるいっぽうで、高価格帯の高級アイスという位置づけで発売されたこともあり、こく一般的な家庭では滅多に食べられないものだったことから、主に80年代当時の子どもたちにとっては「レディーボーデン」と並び、まさに憧れのアイスといった存在だった。

しかしながら、そんなビエネッタもここ近年、その販売実績は横ばい程度の推移に留まっていたということ。

日本国内のアイスクリーム・氷菓メーカーによる業界団体である日本アイスクリーム協会によれば、2010年度に4,063億円だったアイスクリームの販売金額は、2023年度においては過去最高となる6,082億円となるなど、このところはほぼ右肩上がりに増えているといった状況である。

そんななかでの横ばいということで、かつての憧れの的も近年はその存在感が希薄になっていたのは間違いなさそうで、実際2023年に全国の15~69歳の男女1万人を対象に実施した調査によれば、ビエネッタを知っている人の割合はZ世代(15~25歳)では約4%で、40代の10分の1に留まっていたということだ。

森永乳業は早々と商品ページを削除済みか

そんな状況下で、唐突に発表された今回の終売報道ということで、特に80年代に幼少期だった氷河期世代からは、大いに悲しみの声があがっているところなのだが、いわゆる“昭和の懐かしの味”の終売ということで言えば、昨年には明治のキャンディー「チェルシー」が販売終了となったことが大いに取沙汰されたことが。

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その際には、最後に懐かしのテイストを味わおうということで俄かに人気が沸騰し、最後の最後に入手困難となったのだが、今回のビエネッタも同様に、各地で売り切れ状態となっているといった嘆きの報告が相次いでいる状況。

さらに某フリマサイトでは、希望小売価格は734円の同商品4個セットが1万円近くで売られ、挙句の果てにはどんな需要があるのか“空箱”まで出品されていたりと、まさにお決まりの展開となっているようだ。

いっぽうで、今回の終売の理由が“ライセンス切れ”であるということで、巷では「ワンチャン復活あるかも」といった希望的観測も一部で広がっているところ。

過去には、当時のヤマザキナビスコ(現:ヤマザキビスケット)が販売していたクラッカー「リッツ」が、ライセンス契約の終了後に商品名を「ルヴァン」と変えて発売を継続したことがあり、それと同様の展開を……といった淡い期待からのようだが、当の森永乳業側の反応はというと、同社サイトのビエネッタの商品ページは3月末の終売を前にしてすでに削除されてしまったようで、商品一覧にもその名がないといった状況。

品薄状態は今後も続きそうで、復活を願う声は止みそうもないのだが、森永乳業としてはその気はサラサラないといったところのようだ。

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