2025年2月17日に発表された、リネットジャパングループ株式会社2025年9月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
INDEX
黒田武志氏(以下、黒田):リネットジャパングループ代表取締役グループCEOの黒田です。本日はお忙しい中、ご出席いただき誠にありがとうございます。2025年9月期第1四半期の決算概要についてご説明します。
昨年はカンボジアの金融事業の処理において、株主や投資家のみなさまには、大変ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。こちらの処理は実質完了し、今期からは着実に黒字化していきます。
リサイクル事業において非常に大きな特需を目の前にしているため、黒字化だけではなく、ここから大きく業績を伸ばしていきます。「ピンチの後にはチャンスあり。大ピンチの後には大チャンスあり」と考えているため、しっかりと業績を回復させていきたいと思っています。
サマリー

第1四半期のサマリーです。カンボジアの不採算部門を切り離し、黒字化に成功しています。自己資本も改善しています。
売上高が26億5,200万円、営業利益が2,800万円の黒字、経常利益が1億3,000万円の黒字、純資産が5億6,600万円、自己資本比率が6.8パーセントと改善しています。経常利益率は4.9パーセントとなっています。
サマリー

連結業績は先ほどお伝えしたとおり、売上高が26億5,200万円、経常利益が1億3,000万円と、第1四半期から黒字転換しています。不採算事業であったカンボジア金融事業や、ソーシャルケア事業のフランチャイズ部門の切り離しにより、収益性が大幅に改善し、自己資本比率は3.8ポイント改善して6.8パーセントと向上しています。
リユース事業とリサイクル事業は、ともに堅調に推移しています。これから、小中学校に1人1台端末を配備するGIGAスクール構想の商戦が徐々にスタートします。すでに初受注している自治体も出てきており、今後より進めていきたいと思っています。
障がい福祉のソーシャルケア事業は、直営化にフォーカスすることで、セグメントの損益が前年同期よりプラス2億9,200万円改善しています。
サマリー

カンボジア金融事業は、2024年10月1日付でマイクロ保険事業のプレボア社と、シンガポールにあった海外事業統括のリネットジャパンインターナショナル社、車両オークションなどのリネットジャパンカンボジア社の3社を、連結の対象外にしています。
加えて、前期に連結を除外したマイクロファイナンスのチャムロン社と、デジタル通貨事業のリネットソラミツ社もあわせて、カンボジア金融事業の整理は完了しています。こちらの切り離しの成果として、セグメント損失は前年同期より4,800万円改善しています。
GIGAスクール端末の回収状況

GIGAスクール端末の入札・契約の状況です。すでに複数の自治体の案件を受注し始めているため、受注量の増加に備えて、大量の作業に対応できるバックオフィスの強化を進めているところです。
カンボジア金融事業の撤退に向けた進捗

カンボジア金融事業は、先ほどお伝えしたとおり3社合計で1億4,000万円の赤字を圧縮しています。スライドに掲載している表の一番下の行のとおり、モビリティファイナンス社というリース事業が1社残っていますが、売却に向けた基本合意書を締結済みのため、完全撤退に向けて早期に決着させていきたいと思っています。
2025年9月期 第1四半期 決算実績

決算の概要です。売上高が26億5,000万円、経常利益が1億3,000万円、リユース事業とリサイクル事業の売上高が20億円、経常利益が2億6,000万円で、前年同期よりもプラス8,000万円となっています。
ソーシャルケア事業は売上高が6億4,000万円、経常利益が5,000万円の黒字ということで、前期よりも2億9,000万円改善しています。
2025年9月期 第1四半期 連結損益計算書

連結の損益計算書です。営業利益がプラス2,800万円の黒字、経常利益がプラス1億3,000万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益も2,600万円の黒字になっています。
2025年9月期 第1四半期 連結貸借対照表

連結の貸借対照表です。総資産が約70億円と、前期よりもマイナス13億7,300万円圧縮しています。カンボジア金融事業で約150億円あったため、半分以下に圧縮しています。
2025年9月期 第1四半期 売上高の増減要因

売上高の増減要因です。カンボジア金融事業の撤退の影響で、マイナス3億9,300万円となっています。
2025年9月期 第1四半期 経常利益の増減要因

経常利益の増減要因です。各セグメントが改善していますが、特にソーシャルケア事業と外国人材事業が2億9,200万円と大きく改善して黒字化を達成しています。
リユース:売上高(2025年9月期 第1四半期)

各事業の状況です。リユース事業の売上高は13億7,200万円で、前年比107.9パーセントと堅調に推移しています。
リサイクル:売上高(2025年9月期 第1四半期)

リサイクル事業の売上高は6億3,100万円で、前年同期比109.2パーセントと、こちらも順調に推移しています。
ソーシャルケア:売上高(2025年9月期 第1四半期)

ソーシャルケア事業の売上高は6億1,500万円で、前年同期比105.2パーセントとこちらも堅調に推移しています。
外国人材:売上高(2025年9月期 第1四半期)

外国人材事業の売上高は3,000万円で、前年同期比79.6パーセントとなっています。第1四半期は入国のタイミングのずれもあり、このような数字で終わっていますが、順調に推移しており、今期は外国人材事業に参入以来の黒字化必達を目指し、順調に進捗しています。
「ESモデル」としての成長

今後の成長戦略です。かねてより「ESモデル」を掲げています。
ESGに資する「E」と「S」ということで、「E」は「環境」で小型家電リサイクル事業を表し、「S」は「社会」で障がい福祉のソーシャルケア事業を表しています。こちらの2つの事業を、成長のドライバーとして重点的に取り組んでいきたいと思っています。
上場してから約9年経ちます。上場時はリユース事業1本でしたが、より成長するためのドライバーを求めて、さまざまな新規事業にチャレンジしてきました。
成功したものとしては、リサイクル事業が挙げられます。リサイクル事業は、当社の一番の事業収益の柱に育ちました。
カンボジアではマイクロファイナンスやマイクロ保険、リース事業など、いろいろな金融事業にチャレンジし、コロナ禍前までは一時的に非常に成長しました。しかし、結果的には大きな損失を出してしまいました。
いろいろなチャレンジをした中で成功と失敗がありましたが、チャレンジしたおかげもあって、今後の成長のドライバーとして、小型家電リサイクル事業と障がい福祉のソーシャルケア事業の2つを定めることができました。
今後10年の成長の道筋がはっきりと見えてきたと思います。これまでいろいろなジャンルにチャレンジした結果、見つけ出した2つの成長のドライバーです。10年間は脇目も振らず、リソースを集中し、2つの成長ドライバーを軸に次のステージに向かっていきたいと考えています。
リサイクル:GIGAスクールパソコンの入替商戦について

リサイクル事業では目の前に特需が控えています。全国の小中学校に1人1台導入されたGIGAスクールパソコンが5年経ち、ちょうど更新の時期を迎えています。
スライドの上の棒グラフが、GIGAスクール端末の出荷台数予測です。2020年に916万台が導入され、5年が経ちました。初となる入れ替えのピークは2025年と2026年となっており、2025年が474万台、2026年が455万台と非常に大きな需要が発生すると見込まれます。
業界の中でも、当社の回収量はトップだと考えています。年間約100万台が業界上位の回収量のため、GIGAスクールパソコンの約950万台は、その約10倍の規模の需要が発生するという、非常に大きな特需です。
そのような中、これまで自治体との協定を積極的に進めてきました。現在、政令市20市を含む712自治体と協定を結んでいます。人口で言いますと約8,900万人となっており、約1,700ある全国の自治体の、主要な自治体はほぼカバーしています。自治体との関係を活かして、大きなシェアを取っていきたいと思っています。
リサイクル:GIGAスクールパソコンの入替商戦について

GIGAスクールパソコンのリサイクルについて、国の方針として、環境省を中心に小型家電リサイクル法での処分が明確に打ち出されています。
現在、日本のパソコンの約6割は、海外に流出しています。日本ではレアメタルを含めた天然鉱山や天然資源が採れない中で、日本社会に蓄積している都市鉱山を国内資源として循環していくことが、国の方針として大きく打ち出されています。
そのような意味では、GIGAスクールパソコンは国費で購入された端末のため、海外に流出することなく、国内資源循環を推進していく必要があります。そちらが担保された制度が、小型家電リサイクル法です。それをもとに処理していく方針が打ち出されています。
生徒の端末には個人情報など、漏洩すると非常に大変な情報が入っています。個人情報漏洩防止に向け、国も方針を打ち出しています。
リサイクル:GIGAスクールパソコンの入替商戦について

当社はGoogleとリサイクルの提携を結んでおり、GIGAスクールパソコンの入れ替えにおいて、リサイクルの公認のサポート企業として当社を打ち出していただいています。Googleとも連携し、700を超える自治体との協定も活かしながら、約950万台の大きな特需でシェアを獲得すべく取り組んでいるところです。
ソーシャルケア:中~重度者向け直営グループホームの展開

障がい福祉のソーシャルケア事業です。これまで当社は、軽度の障がい者向け施設を中心に展開していました。今後は、法律上の区分では「日中サービス支援型」と呼ばれる中度から重度の方向けのグループホームを中心に、展開していきたいと思っています。
軽度の障がい者向けグループホームは、一軒家の空き家を活用することが多くありますが、「日中サービス支援型」は、スライドに掲載している写真のとおり、新築の建物が中心です。国の制度で決められている上限が20室のため、介護に比べると少し規模が小さいですが、20室の新築の建物を中心に、今後展開していきたいと考えています。
アニスピホールディングスを昨年買収しましたが、フランチャイズ部門を切り離すことを決断しました。すでに切り離されていますが、障がい福祉事業は障がい者に寄り添い、責任を持って運営することが重要です。
そのような意味では、非常にしっかりと取り組んでいるフランチャイズもありますが、運営のクオリティに差があるため、当社の事業からは一度切り離し、直営を中心としてしっかりと責任を持って運営し展開していきたいと考えています。
ソーシャルケア:直営グループホームの多拠点展開

ソーシャルケア事業の「日中サービス支援型」を、もともと展開していた愛知県中部だけではなく、関西地方や近畿地方などに広げ、関東地方・中部地方・近畿地方の三大都市圏を中心に、ドミナントで展開していきたいと思っています。
アニスピホールディングスから引き継いだ直営グループホームは軽度の障がい者向け施設で、空き家で展開するのが中心ですが、首都圏に59棟あります。
当社が独自に展開してきた愛知県名古屋市の9棟を合わせると、68棟展開しています。アニスピホールディングスを買収したことによって、首都圏に足場が59棟できたのは、非常に大きなベースになります。今後は、首都圏を中心に「日中サービス支援型」の運用をしていきます。
当社が愛知県で展開していたグループホームは運営のクオリティが非常に高く、地元の行政からも高く評価されるレベルです。首都圏の59棟にもコンプライアンスも含めた運営のノウハウを注入し、しっかりと施設運営をレベルアップして、愛知県の運営レベル並みに引き上げていきます。来期に向けて、出店を加速していきたいと考えています。
「経営理念」の実現に向けて

当社は、前期でマイナスをすべて断ち切り、今期は確実に黒字化していきます。黒字化するだけではなく、「ピンチの後にチャンスあり」ということで、リサイクル事業を中心に特需をしっかりとつかまえて、成長につなげていきたいと考えています。
質疑応答:ソーシャルケア事業におけるコンプライアンス体制について

「資料では、入居者獲得営業、人材育成・定着の体制整備との記載があります。ソーシャルケア事業の領域におけるコンプライアンス体制がどのようになっているかについて、お聞かせいただけますでしょうか?
形態は異なりますが、某社で不正受給を狙い、行っていない業務の補助金水増し請求が発覚し、株価が暴落する事例がありました。同様のリスクがないか確認させてください」というご質問です。
介護業界において、メディアで騒がれて株価が暴落している上場会社の事例は当社も見ています。我々としても他人事ではなく、コンプライアンスを含めて運営をしなければいけないと考え、あらためてしっかりと取り組むよう社内でも指示しているところです。
各施設を個別に訪問し、それぞれの拠点に対して、行政からの実地調査と同じ基準で模擬実地調査を行っています。アニスピホールディングスから引き継いだ70数拠点も、数ヶ月以内に模擬実地調査を行います。
こちらはスポットで一時的に行うわけではなく、継続的にそれぞれの拠点の運営状況をチェックする体制が必要です。チェックを専門的に行う部署を立ち上げて、専任の担当者を置き、体制強化に取り組んでいるところです。
こちらの事業におけるリスクも重々承知しているため、そのようなことが起きないようにしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
質疑応答:リサイクル事業の収益構造について
「リサイクル事業について、収益構造を教えてください。リユースによる販売が中心なのか、解体して資源回収した売上が大半でしょうか? また、規模が拡大した場合における利益率の伸び率について、回収量に比例するのか、または数の増加比率以上に向上するのかお聞かせください」というご質問です。
リサイクル事業の収益構造は、複数の事業の収益を積み重ねて収益化を実現しています。資源としての回収の収益もベースにありますし、リユースできるものは一部リユースしています。また、データ消去というサービス収入も収益になっています。
ダンボール箱をお客さま先でご用意いただければ無料ですが、当社からダンボール箱を購入いただくと、オプション料金の収益も発生します。
そのようなものを積み上げて収益になっています。規模が拡大した場合は、利益率はこちらに比例して伸びると考えています。大きなリサイクルのバックヤードの投資は、なるべく自社で抱えないようにしたいと考えています。
質疑応答:外国人材事業の収益構造について
「外国人材事業について、法改正があり手数料は送り出し企業が支払う月給の2ヶ月までに制限される可能性があると、ニュースで聞きました。語学学校の運営など、送り出しコストがそれなりにかかっていると思いますが、2ヶ月分だけで収益をコンスタントに出していけますか?」というご質問です。
当社は、業界の動向を把握しています。送り出しだけではなく、国内においても管理組合や登録支援機関もグループの中にあるため、現地側の送り出しから屋内での営業による収益を一気通貫で、収益を得られるビジネスモデルや収益モデルにしていきたいと思っています。現在、そちらの整備の強化を図っているところです。
また、カンボジアだけではなく、インドネシアや、私も先週出張したベトナムでの送り出しのパートナーを広げていきたいと考えています。単なるパートナーではなく、送り出し側の収益も取り込めるように、日本側の営業を強化し、一気通貫モデルでカンボジアやインドネシア、ベトナムでモデルを構築していきたいと考えています。
質疑応答:GIGAスクールパソコンの特需後の構想について
「GIGAスクールパソコンの特需の取り込みはもちろんですが、終わった後の成長エンジンとして、どの事業でどのような取り組みがあるのか教えてください」というご質問です。
GIGAスクールパソコンは5年に1回更新がありますが、1年で一気に更新するわけではなく、2年半から3年くらいに渡って更新されていきます。2年から3年特需が続きますが、その後約2年空白期間があり、次の特需が始まると考えています。
まずはリサイクル事業のGIGAスクールパソコンの目の前の特需を捉え、大きく事業を成長させて、そちらの収益で、ソーシャルケア事業の障がい福祉のグループホームの立ち上げに投資していきます。
障がい者のグループホームは、「日中サービス支援型」を新築で建てて、収益性の高い中度から重度の方向けの施設を、10年で200棟立ち上げていきます。着実に立ち上げて満床になれば、収益はストック型になります。
リサイクルの特需を捉えながら、その利益をグループホームに投じ、10年でソーシャルケア事業の200棟の収益がストック型で積み上がっていきます。そして、2年から3年の空白を置いた後、リサイクルの特需が毎期出てくる構造で、しっかりと大きな利益を出して黒字化できるよう、成長していきたいと考えています。
質疑応答:今後の資金調達やキャッシュアロケーションの方針について
「財務面が心配です。今後、成長投資をしていく上での資金調達、キャッシュアロケーションの方針があれば教えてください」というご質問です。
自己資本比率を改善したと言いましても、6パーセントということで、まだ脆弱だと認識しています。現在はエクイティなどでの資本の増強は考えていないため、目の前のGIGAスクールパソコンで想定どおりのシェアを取れれば、キャッシュ・フローも自己資本比率も大きく改善していくと思います。こちらで、まかなっていきたいと考えています。
GIGAスクールパソコンの特需を捉えることによって、ソーシャルケア事業の投資が実施できると考えていますが、ソーシャルケア事業の出店ありきではなく、財務状況をしっかりと見ながら、身の丈に合った投資をしていきたいと思っています。
カンボジア金融事業で大きなダメージを受けてご心配をおかけしたため、このあたりは少し手堅く着実に黒字を積み上げていく、キャッシュフローの範囲の中で無理のないかたちで収益を上げ成長していくという方針で考えています。
質疑応答:資源価格の上昇について
「インフレで回収した資源の価値も上がっているかと思いますが、価格の交渉などはされているのでしょうか?」というご質問です。
資源の価値が上がるにつれて、当然我々もここはシビアに交渉しています。ただし、資源の収益はリサイクル事業の収益のいくつかある構成の1つであるため、資源価格のアップ分がそのまま収益のプラスアルファになるわけではありません。
しかし、もともとこの3つ、4つの収益を重ねたかたちで高収益を実現していますので、この高い収益率を落とさずに拡大していきたいと考えています。
質疑応答:赤字事業の影響について
「今回の決算では膿は出し切ったと考えてもよいですか? まだ赤字事業の影響は残りますか?」というご質問です。
カンボジアの損失処理は出し切ったと考えています。処理の手数料が若干発生しますが、大きな赤字が出るような処理は残っていないと考えており、ご安心いただけたらと思っています。
質疑応答:送り出し事業の現地での管理について
「人材の送り出し事業を各国で展開していくとのことですが、現地の管理は社員を各国に配置していくのでしょうか?」というご質問です。
カンボジアの事業は1から我々が送り出し事業を立ち上げてきましたが、インドネシア、ベトナムでそれぞれ同じようにスクラッチで我々が行っていくことは考えていません。むしろ国内の営業のほうをさらに強化していくことを考えています。
ただし、現地のほうに任せきりにもできません。我々はこれだけ日本人の駐在員も置いて海外で取り組んできたため、カンボジアのHR事業の送り出しはオペレーションをしっかりと現地のメンバーで回っており、このカンボジアの日本人の駐在員を立ち上げの責任者とし、インドネシアやベトナムを見て回れるようにしていきたいと思っています。
また、我々単独で立ち上げるのではなく現地のパートナーと連携することで、基本的には現地のパートナーの人脈やリソースを活用するかたちで、スピーディに立ち上げていきたいと思っています。このあたりも日本人の責任者の人件費が大きくかさむということではなく、今の人材を活用するかたちで考えています。
質疑応答:GIGAスクールのシェアについて
「GIGAスクールの特需ありきの戦略のようですが、御社は圧倒的シェアNo.1なのですか?」というご質問です。
GIGAスクールの入れ替えの更新というのは、業界でも初めてのケースであるため、まだ我々がここのシェアをどのくらい取れるかはわかりません。
ただし、我々は小型家電リサイクルの認定事業者の中では、パソコンのリサイクルですでに大きなシェアを持っている実績があります。また何よりも、自治体との連携と営業ということでは、小型家電の認定事業者の中で我々が一番太いパイプを築いてきたと思います。
このアドバンテージを活かし、No.1のシェア、大きなシェアを取れるようにこれからがんばっていきたいというところで、ここからが勝負と思っています。このあたりは競合企業もいろいろ現れてくると思いますが、我々はそれ以上にがんばって強みを活かしていきたいと思っています。
質疑応答:グループホームについて
「グループホームの今期新設は何棟の予定ですか? また、施設の建物は地主に建てていただき借り受けるという形式になるでしょうか? すでに建っている建物の中身を御社が施設に合うように改築することはありますか? その場合に改築費用は御社で持つかたちになるのでしょうか?」というご質問です。
基本的にはご質問いただいたとおり、今は財務体質の弱いところもあるため、自社で物件を抱えるのではなく地主に建てていただき、それを我々が借り受ける「建て貸し」のかたちを想定しています。
今期は3棟を予定していますが、立ち上げのタイミングを来期にずらすといったことも、今期の業績などを見ながら検討しています。今期は控えめに3棟ということで、新しく拠点を増やしていくよりもアニスピホールディングスから引き継いだ直営店をしっかりと改善していき、コンプライアンスも含めた土台を固めていきます。
さらに来期以降の拠点の出店をスピードアップできるように人材をレベルアップし、特にエリアマネージャーのレベルを引き上げていきます。
また、我々の中でも当然立ち上げて終わりではなく、スタッフをこの研修でさらに底上げしていくことで、研修センターの立ち上げなども今期予定しています。このようなかたちで、拠点ありきで出していくことではなく、しっかりと人材の質と量が確保できるような体制を今期は築いていきます。
そして今期は3棟と控えめな出店ですが、来期以降は年間8棟、その次には15棟くらいのペースで出していけるよう、そのための土台を作っていきたいと考えています。
質疑応答:GIGAスクール端末の回収の売上について
「GIGAの回収の売上は今期計画に取り込んでいないとのことですが、今期想定した回収となった場合はどれくらいの数字になりますか? 答えられる範囲で教えてください」というご質問です。
このあたり社内ではいろいろな数字を持っていますが、ここではまだ実現していないため、数字については控えたいと思います。今のリサイクル事業はセグメントで年間5億円くらいの営業利益がありますが、これを少なくとも2倍、3倍くらいには大きく伸ばせるという手応えは感じています。
質疑応答:今期の特別利益や特別損失の可能性について
「第1四半期は特別利益と特別損失がありましたが、今期は他に特別利益や特別損失の出る可能性はありますか?」というご質問です。
現時点で認識しているものはありませんので、ご安心いただけたらと思います。
質疑応答:業績修正を実施するルールについて
「今期の業績に期待しています。業績修正を実施するルールが決まっていれば教えてください」というご質問です。
利益が30パーセントを超える見通し立った場合に上方修正するルールがあるため、四半期ごとにそれが見えた時点で、四半期ごとの決算で修正の有無を発表したいと思っています。
予定としては、自治体からの受注や入札などがあれば、その情報は各自治体で開示されると考えています。そのような発表があれば、我々のほうでもIRの中で、四半期ごとではなく、できれば月次で受注状況なども先行指標として公表できたらと思っています。
自治体の開示状況がどのようなかたちになるかを見た上で、なるべく投資家のみなさまにとっても今後の業績の推移がわかりやすいよう、先行KPIとして自治体の入札状況も発表できたらと思っています。
質疑応答:新規オウンドメディア事業について
「リユース事業の説明の中に『新規オウンドメディア事業が伸長』とありますが、この事業はどのようなものかご説明をお願いします」というご質問です。
これはリユース事業のセグメントに入っているもので、リユース事業はかなり会員数やサイトのトラフィックがあるため、そのトラフィックを活かしたかたちでの広告収益の事業です。
例えば通信端末の販売や、広告のアフィリエイトのようなかたちでです。平たく言えば広告収益事業になりますが、リユース事業のセグメントに入っているのは、リユース事業のサイトの強みを活かした広告事業であるためです。
こちらが非常に順調に伸びており、通期で1億円くらいの利益を稼ぐサービスになっています。これをさらに伸ばしていけるように注力していきたいと考えています。
質疑応答:新規採用と人材の定着のための施策について
「新規採用と人材の定着のための施策として、検討されているものがあれば教えてください。ソーシャルケア事業の人材面が心配です」というご質問です。
我々が出店強化していく時には、ソーシャルケアの採用をしっかりとできるかどうかが大事です。そのためにも研修などにしっかり取り組むことで安心して働けるような環境づくりに努めていきたいと考えています。
採用も大事ですがその後の定着が非常に大事だと思っており、働きやすさも含めたところに力を入れていきたいと思っています。
また、現在の株価はカンボジアの金融事業の業績不振があり半減しており、投資家、株主のみなさまにもご迷惑をおかけしていますが、私自身は今の株価が底だと考えており、社内においては従業員持株会の奨励に力を入れています。
従業員の毎月の持株会への積立金の30パーセント分を会社で補助していきます。毎月1万円積み立てている社員には3,000円、毎月5万円積み立てている社員には会社が1万5,000円を上乗せしていきます。このように従業員持株会を非常に強化し、奨励しています。
6割から7割くらいの社員が従業員持株会に参加していますが、これを100パーセントの社員の参加に向けて奨励しています。これは今、私をはじめ社員も業績や株価については非常に楽観的な見通しを持っているということです。株主のみなさまと同じ立場で、全社員が株を持つかたちで株価を伸ばしていきたいと考えており、それは社員の定着にもつながっていくと考え、力を入れています。
質疑応答:GIGAスクール案件の売上計上の見通しについて
「リサイクルのほうの自治体の入札情報を、ぜひIRでも流してほしいです。今期GIGAスクール関係で受注した案件が売上に乗るのはいつ頃でしょうか?」というご質問です。
全国の1,700の市町村で、この4月にはGIGAの端末をどのようなかたちで入札するか、処理するかの方針が公表されると聞いています。それを受けて入札が始まり、おそらく学校が休みになる夏休みか冬休みのタイミングで端末の入れ替え作業が発生すると思います。
我々のもとに端末が入ってくるのは、夏休みの8月か冬休みの12月というところです。売上に計上されるのは物が入ってきて処分が完了してからですので、そのような意味では、今年の夏くらいから物が実際に入ってきて、8月か12月から我々の利益に計上されてくると考えています。おそらくそれより数ヶ月前に、入札状況は開示されると考えています。
したがって、本格的に業績に乗ってくるのは来期になる見込みです。今期は先行する入札状況がわかり、一部が業績に乗ってくるかたちになるのではないかと思います。ただし、先行指標としての見通しは今期にわかるため、これはできるだけ開示していきたいと考えています。
質疑応答:従業員持株会について
質問ではありませんが、「従業員持株会はすばらしいですね」というコメントをいただいています。
我々は業績に対して非常に楽観的に、ポジティブに考えているということでもありますし、何よりも給与、賞与を含めたところ以外にも、持株会で報いたいと思っています。ちなみに、従業員持株会以外にストックオプションも、新たに出し直しを含めて今の株価で出せるようなかたちで準備を進めています。
我々は上場来ストックオプションにも力を入れており、社員だけでなくパート・アルバイトも含めてストックオプションを付与しています。リユースのほうでは350人ほどパート・アルバイトの方ががんばってくれているのですが、約半数が10年以上勤務しています。
20年以上勤務しているパート・アルバイトも数十人いるということで、非常に定着率が良く、会社の土台をこれまでずっと支えてきてくれています。10年以上の永年勤続のアルバイトが100人以上いるのですが、この方々もストックオプションの対象となっています。
我々の時価総額は30数億円ですが、300億円くらいになればパート・アルバイトでも数百万円のキャピタルゲインとなります。社員でも10年以上の永年勤続している人を中心に、従業員持株だけでなくストックオプションも付与し、長年がんばってきたパート・アルバイト・社員といったすべてのメンバーが報われるよう取り組んでいます。
質疑応答:従業員持株会の参加数について
「従業員持株会の奨励制度は非常にすばらしい取り組みです。応援しています。どれくらい利用されているか、数字があれば何かのタイミングで公表してほしいです」とのことです。
今、7割弱が従業員持株会に参加していますが、こちらもできるかぎりIRで進捗をご説明するようにしていきたいと思っています。なんとか社員が100パーセント参加してくれるよう、奨励していきたいと思っています。
質疑応答:衣料品の再販サービスについて
「古いジーパンと着物の生地を入手してオリジナルの服やバッグ、洋服として再販するサービス」等々をご提案いただいています。
オリジナルの服やバッグまでは至らないのですが、服についてはリユースのほうで力を入れていきたいと思っています。特に今、インフレの時代に入り、例えばユニクロの新品の服も、これまではわりと安いゾーンにあったのが、価格が引き上がって少し高くなってきました。
ユニクロの価格を少し下回るくらいの、買いやすいリーズナブルな中古の服、ブランド服というよりも日常着の中で、ユニクロで買いにくくなった分を中古で買うようなニーズに応えるため、リユースでの格安中古衣料などにも力を入れていこうとしています。
質疑応答:自己資本比率の改善の見通しについて
「今期の業績予想だと、自己資本比率はどのくらい改善するとお考えですか?」というご質問です。
少なくとも10パーセントから15パーセントくらいまで引き上げていきたいと考えています。
質疑応答:激励のコメントについて
「説明会の開催ありがとうございました。前回よりもとてもよく把握できました。株の買い増しで応援します。がんばってください」という激励のコメントをいただいています。
どうもありがとうございます。ご期待にしっかり応えられるよう、全社一丸となってがんばっていきます。
質疑応答:中古衣料販売の差別化について
「ユニクロ以外にも原宿に7年前から有名な中小企業があります。そのような他社との差別化について教えてください」とのことです。
我々は1冊100円、200円という非常に単価の安い中古の本の商売で利益を出せるくらい、バックヤードに非常に自信を持っています。それゆえ、中古衣料のような他社がなかなか収益を出しづらいところでも、中古の本で高収益を出してきたバックヤードという我々の強みを活かしてしっかり利益を出し、他社との差別化を図っていきたいと思っています。
質疑応答:PC回収分解施設数について
「御社の現状のPC回収分解施設は何ヶ所ありますか?」というご質問です。
名古屋の施設が中心ですが、東京にも1ヶ所あり、合わせて2ヶ所あります。
質疑応答:議事録の公表について
「今日の議事録をIRで公表してほしいです。ご検討ください」とのことです。
IR動画をアップしているため、そちらを見ていただければと思います。
また、何かご質問等ありましたらIRの窓口にメールでいただければご回答します。お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。
黒田氏からのご挨拶
今期は業績が黒字になってきました。しっかりとこれから業績、株価を伸ばしていけるように頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いします。
本日はお忙しい中ご参加いただきましてありがとうございました。
