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底値から7倍!なぜ「無印良品」株を持ち続けられた?企業価値を見抜いて耐える、長期投資の真髄とは=栫井駿介

<大口投資家の「センスのなさ」と個人投資家重視のIR>

興味深いことに、かつて良品計画株を低値で売却していたキャピタル・グループは、株価が大きく上昇した局面で再び買い戻していたことが明らかになっています。これは、「大口投資家の動きに盲目的に追従することが必ずしも正解ではない」という教訓を示しています。

一方で、良品計画は個人投資家を重視する姿勢を打ち出しました。株主総会とは別に「ファンミーティング」のような個人投資家向けの交流イベントを積極的に開催。さらに、株主優待として5%割引券を導入し、直近では7%に割引率を引き上げるなど、個人投資家の「ファン化」に取り組んでいます。

私は以前から株主優待を導入するべきだと考えていましたが、これが株価上昇の一因になったと考えています。

<投資家への教訓:消費者の視点こそが最大の武器>

今回の良品計画への長期投資を通じて、私が最も強く感じたのは、「一消費者の視点」の重要性です。無印良品の商品を実際に使い、店舗に足繁く通うことで、商品の変化や企業の改革の兆しを肌で感じることができました。

アナリストや海外ファンドよりも、自分自身の目の方が、この会社の良さをずっと認識できていて、これが自信を持って株を持ち続ける原動力となりました。

この経験は、私たち個人投資家に共通する教訓です。

誰もが、自分自身の目を信じて投資を続けるべきだ。そして、良い企業だと心から思えるなら、きっと良品計画のように花開く時が来る。

良品計画の5年間は、まさに「企業の成長と株価の変動は、まるで熟成中のワインのようである」と言えるでしょう。表面上は静かに見えても、内部では品種の選定(戦略)、醸造(企業改革)、熟成(長期的な忍耐)といったプロセスが着実に進んでいます。時に苦味が強く感じられる「不調の年」を経験することもありますが、適切な管理と時間を経て、やがてその真価を発揮し、芳醇な香りと味わい(株価の上昇と企業価値の向上)をもたらすのです。


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【関連】100億円投資家・井村俊哉さんのファンドに乗っかるべきか?運用方針と6つのリスクを解説=栫井駿介

image by: Matt Rakowski / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年7月24日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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