日銀執行部が認めないマイナス金利の問題点と追加緩和の皮算用
さらに門間氏は、明確な効果が出ていないのにどんどんマイナス金利を深掘りしていくことは「慎重に考えた方がよい」とも語っている。
「明確な効果が出ていない」とはっきり言い切ってしまっているが、これについて日銀執行部は認めたくはなかろうが、これが現実であろう。
7月28、29日の金融政策決定会合における追加緩和の可能性については門間氏は明言は控えているが、英のEU離脱など世界経済のリスクを重視するなら、追加緩和をするという判断はあり得るともしている。
しかし、その場合の手段については明確にしていない。
市場参加者も7月の決定会合では政府の経済対策とも歩調を合わせての追加緩和を予想する向きは多い。しかし、実際に何をするのか、何ができるのかと問われるとトーンダウンせざるを得ない。
黒田総裁ならばあらたなバズーカを用意できる、バーナンキ前FRB議長のアドバイスをもらってのヘリコプター・クロダが生まれるのではとの期待もあるかもしれない。
しかし、日銀はすでに「常識的な判断」からは袋小路に追い込まれつつあることも確かであり、追加緩和はかなり無理をしてのものとなることも意識しておく必要があろう。
『牛さん熊さんの本日の債券』2016年7月12日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出しはMONEY VOICE編集部による
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