近づく中国と米国のバブル崩壊――そのときに笑うのは?
市場は、しかし、こうした事態より、ブレグジットのような政治的要因の余波について、より関心を持っているようです。
あるいは、ジャネット・イエレンが連邦準備制度の金利を0.25%引き上げるかどうかについて。
こうした大悲劇の一歩手前の状況にも関わらず、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドは40%の下落、バークレイズは41%の下落、世界最大級の英国系金融グループHSBCはブレグジット以来15%の下落にとどまっているのです。
英国に拠点を置いている国際金融グループは、イタリア、ドイツの銀行と比較すると、やや手堅いようです。
このように、EU加盟国で起こっている一連の悲劇を見ていくと、ブレグジットを決断した英国王室とロンドン・シティーの本当の目的が見えてくるのです。
それは、「支配的なEU支配には、もう我慢がならない」といったエリザベス女王の子供じみたわがままではなく、ドイツ、イタリアなどの国々の銀行の破綻がトリガーとなってEUの債務危機ドミノが生じる可能性がある、ということなのです。
そのとき、英国とロンドン・シティーは、たとえ英ポンドが下落し、GDPが縮小しようとも、EUのカオスに引きずり込まれないように骨身を削る覚悟でブレグジットを決断したのです。
やがて、中国と米国のバブル崩壊がやって来るでしょう。
しかし、英国はそのとき、逆にどこよりも早く立ち直り、EUに対する影響力を増すばかりでなく、英連邦王国の野望に本格的に着手するでしょう――
※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2016年7月19日第165号パート2の抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
『「カレイドスコープ」のメルマガ』(2016年7月19日第165号パート2)より一部抜粋、再構成
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