「政府の財政信用の指標」として日銀の株価を活用する際のポイント
先進国で一国の中央銀行が上場しているのは日本だけです。
米国のFRB(連邦準備制度)も、欧州のECB(欧州中央銀行)も、イギリスのイングランド銀行も上場していません。
ある意味、日銀の株価は貴重な指標だと言えます。
政府の財政信用が低下すると通常、国債の金利上昇から始まります。一般的には次のような経過をたどるとされます。
※出典:『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』橘玲
・第1ステージ(国債下落、金利上昇)
・第2ステージ(円安、インフレ、国家債務膨張)
・第3ステージ(国債デフォルト、IMF管理下入り)
しかし、現在、日銀の異次元緩和により国債市場の価格は歪められています。
日銀の株価は操作されないという点で、財政信用における貴重な先行指標と言えます。(これが第0ステージになる。)
・第0ステージ(日銀の株価暴落)★
・第1ステージ(国債下落、金利上昇)
・第2ステージ(円安、インフレ、国家債務膨張)
・第3ステージ(国債デフォルト、IMF管理下入り)
日銀の株価は下落が止まらず、35,000円台まで値を落としました。今の株価がさらに落ちて、2012年11月につけた最安値30,500円を割り込むようになれば、財政信用が低下しているサインと受け取って良いでしょう。
アベノミクス開始で一時、7万円まで急上昇した日銀株。その後、化けの皮が剥がれて日銀株の下落が止まらなくなっていると認識すべきなのです。