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汗水垂らして働く運送ドライバーが家すら買えない「日本国の病」=三橋貴明

読売新聞も書いていますが、大型トラックドライバーの年収は、97年の510万円から、437万円に、何と14%以上も下がってしまったのです。まずは、この水準を引き上げていく必要があります。

そのためには、昨日も書きましたが、我々日本国民が「サービスに対し、適正な価格を支払う」という意識を持たなければなりません。

高度成長期からバブル期にかけ、運送サービスはやはり人手不足で(だから、規制緩和という話が出てきた)、長距離ドライバーの方々の年収は相対的に高く、

運送サービスで働き、家を建てる

ことが普通にできました。

今は、まず不可能でしょう。

いかがでしょうか? わたくしは運送サービスのみならず、介護や土木・建設、医療といった「人が動かざるを得ないサービス」で汗水垂らして働く「国民」が、比較的高い年収を確保し、持ち家を建てられる社会こそが、「素敵な日本国」だと思うのです。高度成長期からバブル期まで、日本国はまさにそういう国でした。

もちろん、「人が動かざるを得ないサービス」でも生産性を高めていく必要がありますが、とりあえず我々日本国民が「人を大切にする」国民性を取り戻す必要があると思うのです。

読売新聞の記事のラストで、順天堂大学の川喜多喬・特任教授が、

「大災害で物流が止まると、人々はトラック輸送のありがたみを実感するが、日頃は当然のことと考え、高校で運送の仕事を教わる機会もない。運転手の待遇の改善に加え、『物を運ぶ仕事』の大切さに理解を広めていくことが必要だ」

と語っています。

まさに、その通りです。日本国民が『物を運ぶ仕事』の大切さを理解していかない限り、我が国の運送サービスは中長期的に現在の品質を維持することはできないでしょう。

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三橋貴明の「新」日本経済新聞』2016/8/19,20号より

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