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汗水垂らして働く運送ドライバーが家すら買えない「日本国の病」=三橋貴明

さて、藤井聡先生を座長に、国土交通省がトラック運送業の適正運賃・料金検討会を立ち上げました。

国交省は7月13日、トラック運送業の適正運賃・料金検討会(藤井聡座長、京都大学大学院工学研究科教授)を立ち上げた。初会合では、規制緩和以降の事業規制や独禁法の規制概要などを確認するとともに、今後の議論の方向性を共有した。
議論の柱は、(1)標準運賃や最低運賃など価格の目安となる運賃の設定(2)原価計算に基づく受注(3)荷役作業や荷待ち時間など運送以外のコストを適切に収受できる仕組みの構築――の3点。
(1)(2)については、業界内で意見に隔たりがある。目安があることで企業努力によって得られた分の料金がもらえなくなり、創意工夫の意欲が損なわれる懸念があるためだ。ほかにも、原価を知ることで荷主の言い値で受注している実態の改善につながるという意見もある。そのため、アンケート等を実施して幅広い声を拾うと同時に、運賃以外の料金を収受できない実態の調査と具体的な方策の検討を進める。(後略)
出典:適正運賃収受のため議論 国交省が検討会立ち上げ – 物流ウィークリー

藤井先生のフェイスブックから引用しますが、

「トラック業界」というのは、実は日本のGDPの3%以上、18兆円もの規模を誇る巨大業界で、就業者は国内全就業者の約5%の300万人強。
市場規模が3%強で就業者は5%――ということはつまり、「平均賃金が低い」という状況にあるのが、このトラック業界の特徴です。
なぜ、賃金が低いのかというと、シンプルに言うなら「モノを送ろうとする荷主が、安いオカネしか払っていないから」――この一点に尽きます。
その傾向はデフレ下で年々深刻化し、最低限の必要経費(ガソリン代や高速道路料金)すら、きちんと払ってもらえないケースが続発しているのが現状です。

全くその通りで、デフレという「買い手」側が強い環境下において、規制緩和により過当競争を強いられ、運送業界は賃金を抑制せざるを得ませんでした。

今更ながら、運送サービスの規制について見直しが始まったのは、いいことだと思います。規制あるいは「規制緩和」自体は、別に善でも悪でもなく、「経世済民が実現できる規制は善」という話に過ぎません。同時に、経世済民からかけ離れた規制緩和は「悪」です。

規制を見直すと同時に、わたくしたち日本国民は、快適な日常生活の「大黒柱」である運送サービスに、感謝するべきなのです。もちろん、心で感謝するだけでは意味がなく、同時に「サービスに対し、適正な料金を支払う」という感覚を取り戻す必要があるのです。

さもなければ、我が国の運送サービスは、「価格は極端に高いが、まともにサービスが供給されない」という、発展途上国的なサービスへと落ちぶれるでしょう。

Next: ドライバー不足なのに「ならば、外国人労働者を」とはならない理由

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