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ミセス・ミキタニの「楽天ポイント」意外な苦戦と天下取りの条件=岩田昭男

今回は楽天ポイントについてお話しましょう。1997年に創業した楽天は、ネットショッピングを核に急成長し、ここ数年の業績も右肩上がりで伸びています。たとえば、2012年度に約4000円億円だった売上収益は2015年度は約7135億円に大幅に増えています。その大きな要因の一つが、創意工夫にあふれたポイントの施策にあったわけです。(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)

※本記事は、『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』2016年7月15日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:岩田昭男(いわたあきお)
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。

ネットショッピングの王者がぶち当たった、高く険しい「リアルの壁」

楽天の経営中枢にはミセス・ミキタニがいる!?

楽天の共通ポイントで使われるカードの名称は、昨年11月に「Rポイントカード」から「楽天ポイントカード」に変わりました。また、ポイントの名称も「Rポイント」から「楽天スーパーポイント」に変更になりました。

この「楽天ポイントカード」で「楽天スーパーポイント」を貯めたり使ったりするのですが、楽天市場や楽天カード(クレジット)で貯まる一般的な「スーパーポイント」の名称に統合されたことで、共通ポイントは、グンと分かりやすくなりました。

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なぜ、名前を変えたのかというと、共通ポイントだけ特別な名前にしては混乱してしまうことが分かったからです。もちろん、「Rポイント」では発音しにくかったこともあります。

それはさておき、アメリカでは、だいぶ前から、日本のFXブームを象徴するある人物の名前が話題になっています。その人物とはミセス・ワタナベ――。毎日、家事の合間にFXで稼いでいるカリスマ主婦、それがミセス・ワタナベです。といってもミセス・ワタナベは実在する人物ではありません。

主婦としての仕事に一切手は抜かず、FX投資にも真剣に取り組む勤勉な日本人の象徴というわけです。

楽天は銀行、証券業にも力を入れており、投資家にも楽天を利用している人は多いでしょう。しかし楽天の中核事業はなんといってもEC(電子商取引)であり、ネットショッピングの楽天市場です。楽天市場には楽天ポイントが貯まる仕組みがてんこ盛りになっています。

常にいろいろなキャンペーンが行われていて、ポイントが効率よく貯まるようになっています。もちろん、キャンペーンではポイントが2倍~5倍になりますし、突然にボーナスポイントが提供されることもあります。また、雨の日はポイント2倍といった日もあります。

さらに、楽天傘下のプロ野球の楽天ゴールデンイーグルスやJリーグのヴィッセル神戸などの試合結果とポイントをからめてもいます。貯めたポイントはもちろん楽天市場で使えるし、楽天銀行や楽天証券でも使えて非常に使い勝手がよく、人気になっています。

このように楽天市場の大きな特徴は、いわば主婦目線のきめの細かいサービスにあるといってもいいのではないでしょうか。もし、三木谷浩史社長が陣頭指揮をとっていたらもっと武骨なものになっていたはずです。

楽天の経営の中枢部には三木谷社長を補佐するミセス・ワタナベならぬミセス・ミキタニがいるのではないか(おそらく奥さんのこと)、そんなふうに考えてみたくなるほどです。

ですから、私は、女性目線でやってきたから、今の楽天の成功があると思っています。そう信じているので、以前、シーサイドにあった楽天本社を訪れた時にマーケティングの幹部の方に、「すごいご婦人がいらっしゃるのではないですか?」とそれとなく聞いたのですが、「いや、みなで決めていますので」の一言で片づけられました。おそらくミセス・ミキタニは社外秘なのでしょう。

Next: ネットショッピングを核に急成長した楽天の「野望」と「弱点」とは?

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