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ミセス・ミキタニの「楽天ポイント」意外な苦戦と天下取りの条件=岩田昭男

第二世代企業との連携を図れ!

前述したように、楽天はリアルに出ていこうとしたのですが、これまではあまりうまくいきませんでした。Tポイント、ポンタに続く三番手のハンデは予想以上に大きかったということです。ポイントに関する施策を根本的に考え直す時期にきているといえるでしょう。

できれば、ミセス・ミキタニに登場してもらってアドバイスをしてもらえればいちばんいいのですが、そうもいかないでしょうから、私が代わってひとこと提言をしたいと思います。

共通ポイントの分野も競争が激しく、Tポイント、ポンタに続いて楽天ポイントがでて、それに続いて、ドコモ、JR、イオンといった大企業がいま出てきています。これらは、Tポイントとポンタを第一世代とすれば、第二世代といえばよいでしょう。

そして、いずれも、2000万人から5000万人という膨大な会員数をもっている大企業です。したがってインフラづくりに力をいれるTポイントやポンタといった単なるポイント事業者とは違います。あくまでも自分らの会員のために仕事をしようという姿勢を強くもっています。その結果、一業種一社といった排他的ルールには全くこだわっていません。

そういう意味で、第二世代といわれるドコモやJR、イオンに楽天は似ています。この点をしっかり理解しておく必要があります。まず、第一に楽天グループには膨大な数の会員がいます。その会員へのサービスの提供をもっとも大きな目的としています。したがって、一業種一社のこだわりは一切ありません。そうした点も非常によく似ているのです。

その意味でも、Tポイントをモデルにする必要は全くないのであって、自分の手持ちの会員を大切にしながら外に出ていくという形にしたほうがいいのではないかと思います。すでに多くの優良会員を抱えているのですからその会員たちの要望や期待に応える施策を進める、つまり、第二世代との関係をうまく調整したほうがいいということです。そうすることで、Tポイントへの対抗も可能になります。

では具体的にどうするかというと、たとえば楽天が加盟店開拓する際にドコモに声をかけ、同じ店で、ドコモのポイントも楽天のポイントも使えるようにするといった方法が考えられます。

これが実現すれば、楽天とドコモの間で大きな相乗効果が得られるはずです。楽天の顧客は高額所得者というよりは庶民が多く、ドコモの顧客には富裕層が多いということを考えると、両者の顧客が食い合うことはありません。客層が広がることによって店側も大きなメリットが得られるからです。

海外での事業展開が半ば頓挫したいま、楽天は成長のためにはあらためて国内に目を向け、販売力を強化する必要があります。そのためには今の楽天経済圏だけで自足するのではなく、楽天経済圏そのものを拡大させていかなければなりません。

そう考えると第二世代企業との協力・連携は有力な選択肢のひとつになると思います。今後共通ポイント分野での新しい合従連衡の動きがでてくると予想されます。


※本記事は、『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』2016年7月15日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』(2016年7月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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