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ヘッジファンドはこれで儲ける!アービトラージ戦略の様々なアイデア=田渕直也

アービトラージからリラティブバリューへ

アービトラージの定義はもっと緩めることができます。

たとえば、北米の自動車販売が伸びたのを好感してトヨタ株が上がっているのにホンダ株がそれほど上がっていないというような状況があったとします。こうしたときに、ホンダ株を買ってトヨタ株を空売りしておくのです。

ホンダ株が少し遅れて上がり始めたときに利益が出るだけでなく、先行していたトヨタ株が下落に転じたときでも利益が出ます。

これはペアトレードといわれ、トヨタ株とホンダ株を類似株として、割安な方を買い、割高な方を売るというアービトラージ的手法を適用したものです。

こうしたペアトレードは、一般の投資家でも取り組むことが可能なアービトラージ的手法といえるかもしれません。ただ、きちんとしたペアトレードをするためには、過去の株価の相関関係など、統計的な分析が前提となります。

ちなみに、このような統計的手法に基づくアービトラージ取引は、スタット・アーブと呼ばれていて、比較的単純なペアトレードから、かなり複雑な組み合わせで行う高度な戦略まで様々なレベルのものがあります。

このスタット・アーブは、いくつもの大手ヘッジファンドが主戦略として採用している非常に有力な戦略の一つです。

もっとも、このあたりからは、それなりにリスクもあって、純粋なアービトラージとは呼びにくい部分もあり、リラティブバリューという呼び方をされることが多いと思います。

もちろん、リラティブバリューにも、よりアービトラージに近いものから、かなり大胆な組み合わせを行うものまで、様々なレベルのものがあります。また、株の場合は、同様の戦略をロング・ショートと呼ぶことが一般的です。

Next: アービトラージやリラティブバリューに「死角」は存在するか?

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