ヘッジファンドはこれで儲けている
アービトラージやリラティブバリューは、グローバルなトレードの世界ではとても重要な位置づけのものです。
ヘッジファンドの戦略には時代によって様々な流行りがありますが、アービトラージ&リラティブバリューはほぼ一貫して大きなウェートを占め、またレバレッジを効かせることが多いので、実際の取引量は相当大きいと思います。
もちろん内容としては様々なレベルのものがあり、様々な手法があるわけですが、基本は、割高なものを売り、割安なものを買うということです。
つまり、相場全体が上がるか下がるかという方向性に賭けるのではなく、あくまでも関連性のある証券の価格の関係を見て、その価格差(または価格の比率)があるべき水準に回帰していくことに利益の源泉を見出しているわけです。
さて、このようなトレード手法に死角はないのでしょうか。もちろん、あります。
次回は、アービトラージ/リラティブバリュー戦略を採用していた巨大ヘッジファンドLTCMの破たん事例を中心に、そのあたりを見ていきましょう。
(この回終わり)
※田渕直也さんのその他の記事は、無料・有料作品を記事単位で読めるサービス『mine(マイン)』で連載されています。興味のある方はぜひこの機会に講読をお願いいたします。
<田渕直也のトレードの科学~マネーボイスで無料公開中の記事>
・トレードとは何か、その成功の要因とは何か~人がコントロールできるのは期待リターンだけ
・トレーダーの利益の源泉~効率的市場仮説の「つけ入る隙」を考える
・トレーダーを惑わせる「2つのランダム」 アルゴ取引は決定論の夢を見るか?
・「OTMオプションの大量売り」ができるプロとできない一般投資家の“差”
・言い訳をするサル。投資に向いていない「ヒト」という生き物の弱点
・「99%の投資家は小さく勝って大きく負けてしまう…」その一歩先へ!
・心地よすぎて破滅する。コントラリアン(逆張り投資家)が嵌る罠
・「史上最大のボロ儲け」天才ポールソンの手法から個人投資家が学ぶべきこと
・人間はAIに敗れるか?投資の世界に訪れるシンギュラリティ(技術的特異点)
『田渕直也のトレードの科学 Vol.023』より抜粋