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なぜ豊洲炎上劇場では「デマ」がまかり通るのか?物語分析の視点から=内閣官房参与 藤井聡

事実、小池知事の豊洲移転の延期宣言直後から、理性的には、移転延期は正当化できない、むしろ、豊洲は、少なくとも築地よりも衛生的なのだから、移転を迅速に進めるべきではないか、という声が明確に存在していました。

「築地市場の豊洲移転延期 小池都知事の剛腕に大義なし」
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/100452/090400012/?rt=nocnt

こうした声は、地下空洞の暴露という小池知事の強烈な「一撃」によって、一旦はかき消されマスコミ世論の「プロット(脚本)」に沿った専門家発言が、メディア上で垂れ流される状況になっていきます。

(ネット上にTV番組情報がシステマティックには掲載されていませんが、例えば下記の一般の方のブログに等、ご参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/573b0f5ea1fc6a165bb30cd699ae37fa
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/300bb63940b19e206d3a02230d7a93f9

しかし、マスコミ世論のプロット(脚本)の正当性を脅かす「豊洲の地下空間・ピットは、実は技術的に見れば衛生的、かつ、安全だ」という技術論がメディア上でも指摘されるようになります。

「豊洲新市場の地下室は、盛土よりも衛生的で安全である、という技術論」
https://www.mag2.com/p/money/22807

「豊洲地下空間、「作ったのは英知」 都の有識者会合で委員が絶賛」
http://www.j-cast.com/2016/09/29279374.html?p=all

「豊洲・6人に緊急アンケート!築地移転はどうなる?」(TV上で豊洲が危ないという技術情報を提供し続けている“専門家”1名を除く、全員が豊洲の安全性を主張)
http://e.jcc.jp/news/11417155/

そうした流れを受けて、先日の10月9日には、上記の「小池劇場」のプロット(脚本)の世論形成にも大きな役割を担ってきた『TVタックル(テレビ朝日)』にて、これまでのプロットの正当性を脅かす技術論が、改めて放送されました。
https://www.facebook.com/Prof.Satoshi.FUJII/posts/877282985705979?pnref=story

この技術論の解説に耳を傾けていたビートたけしさんは、次のように発言します。「これ見て、『ちゃんとしてるじゃないか』ってなっちゃうと、われわれはどうなっちゃうの?」。同じく、阿川佐和子さんも、次のように発言されました。「ちゃんとしてる――、どうすんの?」。これはまさに、これまで、使ってきたプロット(脚本)が覆され、途方に暮れる状況を、(笑いの形で)端的に表すものと言えるでしょう。

事実、その直後には次の様な会話がスタジオで展開されました。
たけし「豊洲万歳!」
阿川「よかったね!」
たけし「よかったよ」
藤井「これは要するに、都民は『勝手に安全にしやがって!』って怒っている状況なんです」
せいじ「ピットはね、全部にあるのは僕よく知っています。若手芸人がピットの掃除をするんですよ。ぜひね、このままで行ってください、これは!」

これはまさに、たけしさんを中心とした『TVタックル』の議論のプロットが、これまでの桝添悪玉論に端を発する小池劇場プロットから、別のプロット(豊洲実は安全じゃん、プロット)へと「転換」した瞬間がそこに訪れた事を示しています。

(なお、この番組時の藤井発言の細かい技術的補足は、下記をご参照ください。
https://www.facebook.com/Prof.Satoshi.FUJII/posts/877282985705979?pnref=story

Next: 変換を余儀なくされるマスコミの脚本。「真実」が力を持ち始めてきた

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