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トランプを見捨てヒラリーに乗り換えた「影の政府」強まるドル高圧力=斎藤満

日本の防衛予算がさらに増加

そして対中国では、いずれの陣営も「反中国」の色合いが濃かったため、両者が相乗りしても、中国戦略に変わりはなさそうです。

ただ、比較的中国に近いCFRが、バイデン副大統領の口利きで、中国が売りたい米国債を、日本に買わせるという話は前からありました。それが安倍総理の外債発言(為替狙いの外債購入はダメ、それ以外ならOKと読める)の背後にあると見られます。

日本や韓国の防衛に関する姿勢は従来と大きく変わらないと見られます。THAADの配備や中国の牽制など、米国が日韓に拠点を置くことには、米国自身にメリット・商機があります。

クリントン氏の背後にいる軍事産業もこれで潤います。当然日本の防衛予算はさらに増えます。

米利上げ容認と積極財政で強まるドル高圧力

経済政策については、G20、G30が金融主体から財政主体に変わっているので、FRBは可能なら利上げを継続し、財政もこれまでより拡張的になると見られます。

もっとも、利上げについては米国経済に耐性が強くないため、12月に利上げをすると、米国市場はもとより、しばらく世界市場にも悪影響を及ぼす懸念があります。

また財政については、債務上限の縛りがありますが、共和党もクリントン大統領に協力的となって、債務上限の引き上げに寛容となり、赤字拡大が可能となります。

元来、クリントン氏は富裕層に増税するとして、財政赤字を抑制する姿勢でしたが、共和党配慮となると、この増税も難しくなります。減税はできないまでも、インフラ投資や軍事費の拡大はありそうです。

為替はクリントン氏もドル高は嫌うでしょうが、利上げを容認し、財政を拡張すれば、ドル高圧力となります。

特に欧州通貨に対してはドル高が予想されますが、対円では、日本の物価が上がらず、年に20兆円の経常黒字が続けば、それらは円高要因なので、円安は限られます。ただ、政府日銀がどこかで外債購入を打ち出し、「ヘリマネ」に向かえば、悪性の円安となります。

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