ビットコイン相場の強弱材料
気になるのは今後の相場です。当面の状況を整理しましょう。
マイナス材料:8月1日のビットのハードフォーク(HF)懸念
プラス材料:日本で7月から消費税非課税化。今夏よりSBIなど証券会社の暗号通貨取引への参入
<マイナス材料>
唯一にして最大のマイナス材料はHF懸念ですが、8月1日にビットコインがどうなるかはまだ結論がでていません。どうなるかについては、私は関係者に直接聞くことができないので、踏み込んだ見方はここではいたしません。
ただ確認しておきたいのは、ビットコインの影響力の低下です。去年までは暗号通貨の時価総額の9割を占める絶対的存在でしたが、今年に入って急速に低下し、いまや3割台にまで低下しているのが事実です。仮にハードフォークがあってもあくまでビットコインの問題であって、暗号通貨が消え去るような次元の話ではなく、一時的な価格の乱高下があるにせよ価格の問題に過ぎません。
※http://coinmarketcap.com/charts/
「価格が問題なんだよ(怒)」という声も聞こえてきそうですが、考えてみてください。ハードフォークを主張している中国の「ビットマイナー(Bitmain)」は、マイニングによって得られるビットコインが収入源です。それが暴落するような破壊的な主張を通した場合に、返り血を浴びるのは自分たちであることはわかっています。ビットコインの価値を保全したいという点では、彼らも一般投資家も利害は一致しています。
なので、ハードフォークになったとしても、壊滅的な事態になる可能性は心配しなくてよいと考えています。壊滅的ではなくても下がるのはイヤという方は、自分を信じて最善と考える行動をとりましょう。
<プラス材料>
続いてプラスの材料を見てみましょう。日本についていえば、需給面は今後も極めて旺盛な買い需要が予想されます。7月以降は法人が財テクの一環で株から暗号通貨に一部をシフトするところが出るでしょうし、SBI証券などが暗号通貨を扱えばケタ違いに多くの投資家の打診買いが入ると思います。
行き場を求める夏のボーナス資金もあるので、株よりも儲かることが伝われば、どっと暗号通貨に入ることが予想されます。日本の動きが世界の相場に影響するのかという疑問もあるかもしれません。
確かに今年の正月までは中国が世界の9割の売買を占めていましたが、中国政府の規制によって今や2割程度にまで低迷。代わって存在感を発揮しているのが、日本勢なのです。暗号通貨は取引所ごとに売買されていますが、影響力は世界に及びます。
例えばビットフライヤー(BF)で強い買いでコインが高騰して、取引所間の価格差が大きくなったとします。それに気づいた内外の投資家が値上がりを期待して自分の取引所で次々に買い注文を出すと、つられて値があがります。価格差が十分に大きい場合は別の取引所で同じコインを安く買ってBFで売る人も現れます。こうした動きによって、日本で価格が上がれば世界の相場をけん引することもあるのです。
運命の8月1日
現状では8月1日にビットコインは何らかの岐路に立つことになります。決まっていないからこそ不安心理が広がり、ちょっとしたことで過剰な反応が起きやすくなります。
したがって、この先はまた急落の場面が来ると思っておくべきです。逆に今回台風の目となった中国のビットマイナーがHFを避ける妥協案を提示する可能性もあります。そうなればビットコインは急騰するでしょう。
いずれにしても現物ならホールドで乗り越えられると考えています。考えがあって動くのは良いのですが、迷ったら中途半端なことをするよりも、ホールドを貫く方が良い結果につながると思います。
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