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ドナルド・トランプ米次期大統領は田中角栄の夢をみるか?=山田健彦

嫌なことは就任前に片付けておきたい

トランプ氏が正式に大統領に就任するのは、来年の1月20日です。それまでは現職のオバマ大統領が政権を形の上では運営します。

トランプ氏としては、不人気になる事柄はオバマ大統領が政権を運営している間に済ませてほしいと思うのが自然です。

まずは12月にあるかも、と言われているFRBによる利上げです。

利上げがあれば、お金は株式市場から債券市場に動き、株価は下がります。米国では様々な年金財団がかなりの額のお金を株式市場で運営していることもあり、基本的に株価は常に緩やかに上昇していくのが好ましいという共通認識があります。

現状、米国の株式市場はやや過熱気味であり、利上げを行い、株価の上昇スピードに少しブレーキをかけるのが好ましいのですが、株価が下落すると人々の非難が殺到するので、できればオバマ大統領の任期中の12月に行ってほしいというのがトランプ氏の本音と言われています。

トランプ氏の大統領就任日の株価が低ければ低いほど後々の株価上昇が見込め、それはトランプ氏の経済政策が成功したからだ、という評価が得られるからです。

もっとも選挙運動中は、ツイッターで「自分が大統領になったら、利上げを企むイエレン議長の再任はない。あんな奴はクビだ」と例により過激な発言もしていますが、これは選挙向けの発言でしょう。

イエレン議長も「クビになる前にこちらから辞めてやる」と発言したとか、しないとかの報道もあります。

いずれにしても、仮に12月の利上げがあるとしても、おそらくはその後の利上げは向こう一年はない可能性が高い、と思われます。

現在は米国の利上げを見込んだ円安傾向が続いていますが、12月の利上げ後はその後の持続した利上げが見込めないことから、材料出尽くしで一転して為替は円高に向かいそうです。

また、12月の利上げが見送られても当然円安傾向は反転します。どちらにしても12月以降は円高傾向になりそうです。

トランプ氏のアンチ・グローバリズム政策も相まって、輸出をメインとする会社には強い向かい風が吹くものと考えたほうが良いでしょう。

Next: 中国に対して厳しい姿勢/国際協調を放棄、G7から米国が離脱も?

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