FBIによる私用メール問題再捜査の背景として、メディア王・マードックの背後に控えるウォールストリートの金融産業が、ヒラリー・クリントンを最終的に見限った可能性が指摘されている。(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司)
※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2016年11月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
ヒラリー・クリントン政権はどうせ短命、ならばトランプに乗り換えだ!
FBIコミー長官への「2つ圧力」
なぜコミーFBI長官は、クリントンとトランプが大接戦を繰り広げている大統領選挙の1週間前になって、あえて私用メール問題の捜査に踏み切ったのだろうか?
今年の夏にコミー長官は、クリントンの私用メールサーバから違法性のあるメールが出てくる可能性は低いので捜査をしない決定をした。これは急に捜査の開始を宣言したいまの状況とは対照的だ。コミー長官になんらかの圧力があったのかもしれない。
そのように思って調べると、やはり圧力があったことを示す情報が多数出てきた。
カナダのオタワ大学のミシェル・チョソドウスキー教授が中心となって運営しているシンクタンクに、『グローバル・リサーチ』がある。ここのサイトには、内外の分析者や調査ジャーナリストの書いた興味深い記事が多数掲載されている。
今回このサイトには、コミー長官にかけられた圧力と、捜査に踏み切らざるを得なかった動機をうかがい知ることのできる記事が多数掲載されていた。
1つ目の圧力。FBI内部からの反発
それらの記事を読むと、コミー長官には徹底した捜査を要求する2つの大きな圧力がかかっていたことが分かる。
ひとつは、FBI内部からの圧力だ。クリントンの私用メールサーバには、クリントンの違法行為を証明できるメールが多数あったにもかかわらず、コミー長官は大統領選挙への影響をおもんばかって本格的な捜査はしないことを決定をした。
長官のこの決定には、FBIの内部から強い批判があり、優秀な捜査官が何人も辞表を提出して、この決定に強く抗議した。コミー長官はFBIの組織の統合性を維持するためには、内部のこうした抗議に応える必要があった。
そのため、クリントンの側近、フーマ・アベディンのパソコンから見つかったメールは、徹底して捜査する意志を示さざるを得なかった。
もう1つの圧力。トランプ・マードック連合
しかし、コミー長官にかかった圧力はこれだけではない。きちんと証明されているわけではないが、大きな勢力からなんらかの圧力がかかっている可能性を示唆する記事が『グローバル・リサーチ』にはいくつも出ている。
まず今回のコミー長官の捜査開始の報道にもっとも熱心なメディアは、ケーブルテレビのFOXニュースと大手経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルだ。このメディアのどちらも、メディア王、ルーパート・マードックの所有である。
ルーパート・マードックは大変に熱心なトランプ支持者で、トランプとも個人的に親しい間柄だ。
今年の春、トランプとマードックは数回会談したことが分かっている。その後、トランプの義理の息子のジャード・クシュナーを通してマードックとの電話会談が持たれ、いわばトランプ・マードック連合が形成された可能性が高いと見られている。
さらに10月には、トランプとマードックとの間で2度会談が行われ、今後の方針が検討されたようだ。マードックはつねづね「共和党がトランプの元に結集しないのはおかしい」と述べていた。