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ドナルド・トランプ米次期大統領は田中角栄の夢をみるか?=山田健彦

貿易面では中国に対しても厳しい姿勢

現在、米国の最大の輸入相手国は中国です。中国に対してトランプ氏は、「中国は為替相場操作の『名人』であり、米国から仕事を盗んでいる」と主張し、同国からの輸入品に対し最大税率45%の輸入関税を懲罰的に実施する考えも示しています。

こうした発言は鉄鋼大手USスチールのような企業の株価を押し上げますが、アップルウォルマート・ストアなど、中国の工場に依存している企業の株価にはマイナスと成り得ます。

外資系の金融機関のレポートでは貿易障壁での中国狙い撃ちは、人民元の下落を誘発、資本流出加速を引き起こし、中国の外貨準備高を圧迫する恐れがあるとしています。中国発の第二の株価下落局面があるかもしれません。

国際協調路線から米国は離脱する?

G7という会議が毎年開かれますが、ここから米国が離脱する可能性もあります。

元々、G7は1970年代の第一次石油危機などの世界に共通する経済問題に対する政策協調について話し合うために開かれたものでした。当時は石油価格の動向が世界経済に影響を与えるという共通認識を米国も持っていましたが、今ではシェール・ガス革命により、米国が実質世界一の産油国になってしまい、米国は石油を輸入する必要が無くなってしまいました。

米国が他国と協調しなければならない理由は驚くほど少なくなっており、G7に参加する必要性もかなり薄らいでいます。

国際協調路線から離脱する、という意味ではもう一つ、エネルギー政策があります。

エネルギー業界に対するトランプ氏の姿勢も明快です。炭鉱作業員を職場復帰させ、再生可能エネルギーへの助成金を撤廃し、気候変動を止めるための世界的な二酸化炭素排出規制の取り組みに米国が参加することをやめるというものです。

米国の五大湖周辺のラストベルト地帯は製造業製炭業が盛んでしたが、グローバル化の影響で企業は製造拠点を海外に移してしまい、経済的に取り残された地域です。この地域は伝統的には民主党の地盤でしたが、オバマ政権時代に効果を上げた失地回復策は無く、しびれを切らした人々は共和党に宗旨替えをしました。

米国の雇用を回復させるとアピールしたトランプ氏に票がながれたのも頷けます。このことも米国の国内回帰、孤立主義を象徴するものです。

Next: インフラ再建政策で建設機械の製造メーカーや建設業者に追い風

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