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【書評】老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路=姫野秀喜

都心に建つ新築タワーマンションが引き起こしている直近の問題とは?

【答え】

  • タワマンは狭いエリアに多くの人が居住するため、インフラが追いつかない。

『東京湾岸エリアではすでに、あまりにも多くの超高層マンションが建てられたために、居住地として必要な様々な生活関連施設が不足

『小学校の教室不足や地下鉄のホームが過密になりすぎて危険な状態になるといった問題が深刻化しています』

なお、この状況は今後も拡大していくようで、『東京都の湾岸6区内には、すでに17万戸もの空き家がある中で、「売れるから建てる」という短期的な市場原理の中で、これからさらに、千葉ニュータウン一つ分もの新築住宅がつくられる』という悲観的なストーリーが続きます。

タワーマンションが将来引き起こすと懸念される問題は?

【答え】

  • 入居者が多すぎて意思統一できず、老朽化や建替えが出来なくなる

『超高層マンションは、将来、不良ストック化するリスクがある』

『超高所での暮らしが成り立っているのは、エレベーターや排水施設などを稼働させる電気の力があるから』

この設備を維持・管理するのはマンション各部屋の持ち主である、区分所有者たちです。『しかし、分譲マンションは、どのような区分所有者がいるのか』わかりません。ゆえに『将来にわたって建物の維持管理が適正に行われるかどうかが未知数』なのです。

将来、建替えに一部屋あたり1000万円の拠出金が必要になったとしても、出せる人は一握りでほとんどの人は拠出できないでしょう。そして、管理組合の総会で建替えは否決され、設備は老朽化し、エレベーターや給水施設などライフラインが使い物にならなくなり、廃墟と化す30年~50年後には起こりうる未来ですね。それでもタワマンが欲しいですか?

Next: なぜ新築タワーマンションがたくさん建つのか?

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