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【書評】老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路=姫野秀喜

なぜ新築タワーマンションがたくさん建つのか?

【答え】

  • 『国と自治体が、その区域の都市計画規制を特別にかつ大幅に緩和しているから』

『問題なのは、東京都が、「都心居住の推進」のために容積率等の緩和を可能とした区域があまりにも広すぎるということ』

『駅周辺地区などに限定して拠点的に指定するのではなく、おおむね首都高速中央環状線の内側と湾岸部のほとんどを含んだ極めて広大(過大)なエリアを指定』

更に問題なのは、建てられる住戸などの数値目標を管理していないこと。

『必要な住戸タイプや住戸数の将来目標量を設定したうえで、その目標量をエリアごとに割り当て、都市計画規制の緩和を行っていない』

『今の都市計画や住宅政策は、超高層マンションで供給される住戸数がどんどん積み上がる自体を全体的にコントロールしているわけではない

『たとえば、湾岸エリアのある区域では、現在、3棟の超高層マンションを伴う市街地再開発事業が進められ』『約3000戸もの新築住宅が供給される予定になっています』

『そもそも、この地区に3000戸もの住宅がつくられる量そのものの妥当性や、全体として住宅の量が積み上がっていくことへの影響に対して、丁寧な検討も調整もされていないのが実態なのです』

『これ以上、住宅過剰社会を助長しないよう、長期的な視野から、都市計画・建築の規制緩和のあり方について、真剣に議論すべき』

郊外の田畑の真ん中に新築住宅が建てられるのはなぜか?

【答え】

  • 人口増加させたい地方自治体が条例で規制緩和したから
  • 既にある市街より、新規で規制緩和された田畑の方が住宅を建売りしやすいから

2000年の都市計画法改正によって、開発許可権限のある自治体が、開発許可基準に関する規制緩和の条例を定めれば、市街化調整区域※でも宅地開発が可能とされた』※市街化調整区域とは、通常は家を建てられない区域のこと

新規で田畑に家を建てた方が土地の価格も安く、『都市計画税が不要な市街化区域での開発の方がメリットがあるとされ、これまで整備してきた市街化区域の開発意欲を奪う要因となった』。

『農地をつぶして、無秩序に宅地化しながら、低密にまちが広がり続け、インフラ等の維持管理コストや行政サービスを行うべきエリア面積をますます増大させ、行政サービスの効率の悪化行政コストの増加といった悪循環を引き起こす状況は、まさに「焼畑的都市計画」であると言えます』

Next: 「老いていく家」が引き起こす問題とは何か?

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