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師走にドル円・株式が下落した「2015年末相場」の再現はあるか?=近藤雅世

今後のマーケットは幻滅リスクにも注視すべき

原油に関しては、11月30日のOPEC諸国の減産決議に続いて、12月12日、ロシア、メキシコ、カザフスタン、オマーン等が減産を決議し、合計で日量約160万バレルの減産となる見込みである。そのニュースは原油価格を引き上げ、一時1バレル54ドルまで上昇させた。

しかし、米国EIA(エネルギー情報局)はこうした減産を踏まえて、2017年の原油価格予測を上半期49ドル、来年末を54ドルとかなり控え目なものとして公表している。その背景は、米国のタイトオイルは原油価格が50ドルを超えてくると増産するためである。米国石油業者は漁夫の利を得ることになる。また、市場はOPEC諸国や非OPEC諸国の減産決議を懐疑的に見ている。「言うは易し、行うは難し」である。

同様なことは、トランプ次期大統領の言動についても言える。減税、インフラ投資、規制緩和という願ったり叶ったりのトランプ政策も、資金が潤沢にあってのこと。その財源はどうするのかという疑問にトランプ氏はどう応えるのであろうか。口先介入に過ぎず、実行は今後のことである。それなのに、株式市場や為替相場はトランプ氏の言動を夢見て、有頂天になって価格は上昇している。

しかし、1月20日に大統領が就任し、大統領になる前に述べた施策をいざ現実的に実行に移すとなると多くの困難が待ち構えている。言うだけは簡単であるが、それが実行できなかったときのトランプ新大統領の態度や言動に、世界は幻滅するのではなかろうか。今からその時のために投資家は身構えておく必要があると思う。

中国に対しても、また移民政策も、TPPやFTPA離脱も、キューバ問題などオバマ政権が堅実に積み重ねてきた政策をことごとく否定してきた新大統領は、さて何をもって米国をNO.1の国に育て上げるのであろうか。お手並み拝見であるが、もし期待外れに終われば、その失望は大きいどころかこれまでの秩序が破壊される恐れがある。皆はしっかりつかまって、その波動に耐えるべきであると思われる。

imege by: Wikimedia Commons

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グローバルマネー・ジャーナル』(2016年12月14日号)より抜粋
※記事タイトル、太字はMONEY VOICE編集部による

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