ポイント4:当事者に取材していないニュースは基本的に信用できない
私は財新を知りませんでしたが、国内外の評判や同誌のサイトに掲載された多くの記事の内容からして、信頼に足る経済メディアだと考えられます。日経ビジネスもかつて提携記事を掲載していましたし、編集幹部の報道姿勢はウィキペディアでは真実を追求する姿勢を持つ人物として記載されています。
取材は当事者に確認するのが基本です。今回は監督当局と取引所が当事者ですが、財新の記事はどちらにもあたった形跡が記事からは伺えません。ここが大丈夫か?と最初に思った点です。当局に確認できない事情があるならせめて取引所に確認すればよさそうなものですが、なぜかしていない様子なのも気になりました。
すると先ほどのツイッターアカウント@cnLedgerさんは大手取引所のひとつ、OKコイン社に直接確認をとり、「当局からは連絡を受けていない」というコメントをツイートしました。すばらしい仕事です。
こうなると情報を裏付けるものが当局の事情に詳しいひとりの部外者の情報だけとなり、これだけ大きなニュースの根拠としては心もとない状況になります。
ポイント5:大手メディアでも取材していなければ信頼性はチャットと同じ
そうこうするうちに3大取引所の残るBTCCとHuobiも同様のコメントを自らツイッターで発信。ますます財新の報道の真偽がわからなくなってきました。
私はこうした状況を踏まえ、可能な限り関連情報を読んだうえで自分のツイッターで報道の真偽はどうもはっきりしないと警戒を呼びかけました。
当局が取引所を停止するという情報が事実なら一大事です。アメリカなど外国のメディアも中国の現地報道として伝えました。
日本でも少なくとも日経と共同が9日(土)に記事を配信。これで暗号通貨界隈では「やっぱり本当だったんだ」という空気が広がります。しかし日経も共同も記事をよく読むと、結局は財新の記事を引用しているだけで独自のウラ取りの事実は含まれていませんでした。つまり依然として事実は不透明なままなのです。
そこで私は大手のメディアでも直接取材していなければ信頼性はチャットと変わらないとツイートし、まだ警戒を解くべきでないと呼びかけました。