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北朝鮮に舐められた日本が決して忘れてはならぬ「最強の戦略」とは?=北野幸伯

北朝鮮の「核保有」を許したらどうなるのか

ところで、北朝鮮の「核保有」を許したらどうなるのでしょうか?

第1に、クレイジーな独裁者(と思われている)が核を持つことで、アメリカの安全が脅かされる

第2に、北朝鮮の核保有を認めれば、他の国の核開発を止めることが難しくなる。これ、とても重要ですね。

アメリカが、北朝鮮の核保有を認めた。イランは、「北朝鮮がよくて、イランがダメな理由はなんだ?」と迫ってくるでしょう。そして、アメリカにも国際社会にも、「北がよくてイランがダメな理由」は説明できません。

さらに、中ロが恐れているのは、日本と韓国の核武装です。「北朝鮮が核をもっているのだから、日本も核を持たざるを得ない」となれば、なかなか反対するのが難しい。中ロが、「緩衝国家」北朝鮮を守る一方で、制裁強化に同意しているのは、そういう背景があるのです。

ちなみに、日本人は自国について、「わが国は、気概を失ったダメダメ国家だ」と思っているでしょう? しかし、世界はそう見ていません。「かつて中国(清)に勝った国、ロシアに勝った国、アメリカに挑んだ国。いまはおとなしくしているが、目覚めたら怖ろしい」と思っている。だから日本は、「おとなしく」していた方がいい。トウ小平も言いましたが、「警戒されないこと」はとても大事です。

【関連】中国が恐れるトランプの経済侵略と北朝鮮「北京核テロ」の脅威=斎藤満

「日本も剛腕プーチンを見習って」などという人もいます。しかし、ロシアは、世界有数の石油、ガス大国で、アメリカよりも多くの核を保有している。資源もない、核もない日本がプーチンのマネしたら、すぐにつぶされるだけです。

話を元に戻しましょう。アメリカと北朝鮮がなかなか「対話」しない。その理由は、アメリカは「核放棄」を求め北は「核保有」を求めているからなのです。

image by:aradaphotography, Gino Santa Maria / Shutterstock.com | 首相官邸ホームページ

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ロシア政治経済ジャーナル』(2017年9月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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