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日本の格差が固定する日。クレヒスで人生が決まる「スコア社会」の恐怖=岩田昭男

クレジットスコアが招いた「サブプライム危機」

アメリカの金融機関は十数年前、市場拡大を目指してサブプライムの人たちにも無理矢理融資を行ないました。その結果、最初は順調に返済が行われていましたが、もともと貧しい人たちでしたから、返済が滞るようになり社会的な問題となってしまいました。

そして当時、全米第4位といわれた投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破綻し、これが引き金となって世界的な金融危機となり、大不況が襲ったのでした。このサブプライムローン破綻を招いたのが、実はクレジットスコアだったのです。

スコアが結婚や就職にも影響する

クレジットスコアはローンに利用されるだけでなく、例えば、結婚就職住居を探すときにも重要な目安となっています。それがいま、アメリカの格差社会を固定化する元凶として大きな問題となっているのです。

そんな背景があって、私は『ブラック・ミラー』シーズン3の第1話「ランク社会」を観たのですが、その内容は私の予想をいい意味で大きく裏切る近未来の寓話でした。以下に紹介しましょう。

<作品紹介>

ブラック・ミラー』(今回紹介する「ランク社会」は『ブラック・ミラー』の中の1つのエピソードです)
2017年、Netflixオリジナル作品
イギリスTVシリーズ
エミー賞受賞作品

<あらすじ>

■生活のすべてをスマホが支配する社会
主人公のレイシーは都会の企業に勤める若い女性です。日本と同じように彼女が住む街でも皆がスマホを使って生活しています。電話連絡はもちろん、買い物にも本人確認にもスマホが大活躍。スマホがなければ生きていけません。

■他人を評価する手段としてスマホが使われている
ただ、この街の特徴は、通信、決済、本人確認の手段の他にも、他人を評価する手段として、スマホが使われていることです(むしろこちらの方が主流となっている)。仕事で誰かが手柄を上げると、周りのみんなが一斉にその人に「Good(いいね!)」を送ります。

ポケモンGOのようにスマホを向けてタップすると相手のスマホに「Good」が送られる仕組みです。「Good」は最大で星5つ(気分に応じて星の数を調整できる)で、評価してくれた人の数や星の数で、総合点数が出る仕組みです。

「Good」の評価だけでなく、「Bad(ださい!)」の評価もつけられるので、ダサイ服装で街を歩いていると、すれ違う人たちが次々「Bad」をつけてきて、自分の持ち点がどんどん減っていきます。

■仕事でも、レジャーでも、買い物でもスコアがつけられランキングされる
というように、この街の人々は皆スマホに点数を持っていて「Good」「Bad」を付けあって暮らしています。そして、獲得した点数でその人の評価が決まります

5点満点のうち、4.5点以上あると、セレブ・素晴らしい人となり、4.4から3.5点までが普通、3.4から3点が危ない傾向、2.9以下が人間以下・一緒に暮らしたくない人たちとなります(クレジットスコアが経済的な側面での評価だったのに対して、こちらは経済的側面も含めて、毎日の行動や貢献なども評価されるので、気を緩める暇もない社会といえます)。

■スコアで個人の幸せが決まる恐ろしい社会
このような序列がしっかりとできています。そして、上にいくほど、生活で優遇を受けることができます。逆に点数が低いと優遇が少なくなります。結果的に低得点だと生活困窮になる可能性が高くなります。

それでも、点数を上げれば上に行くことができると考えられているので、誰もが点数稼ぎに必死になっています。

Next: 現実にある「クレジットスコア社会」がモデルになっている

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