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やはり利上げできない米国 アメリカ経済指標の欺瞞と粉飾はいつまで続く?

市場では、「力強い景気回復」による米国の年内利上げがコンセンサスになりつつあります。しかしメルマガ『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』は、米国が発表する経済指標は欺瞞的で、実体経済は回復していないと指摘。利上げは遠いとグラフつきで解説しています。

実態はボロボロ! アメリカの雇用・製造関連指標

  • 5月、米国の失業率が、0.1%上昇。(5.4%→5.5%へ)→景気悪化の兆候?
  • 景気回復し、仕事を探す人が増えた。→景気回復の兆候?
  • 就職できた人が28万人増えた。→景気回復の兆候?

と相矛盾する内容のニュースが流れています。下記の日本語報道を見て下さい。

米就業者数28万人増 5月、失業率は5.5%(朝日新聞デジタル)

5月米雇用28万人増、求職者増え失業率5.5%に(ロイター)

5月米雇用者数:予想上回る28万人増、時給も増加-失業率は上昇(ブルームバーグ)

御購読者の皆様は、もう完全に理解されていると思います。分母である労働市場参加率を増やせば、失業率を簡単に下げれます。

しかし下げれば、実態と乖離し過ぎますし、又、景気回復したではないか?それなら連銀は利上げせよ!との要求が高まります。利上げ出来ない理由を失業率の悪化にしたいのでしょう。

そうでなくてもIMFから利上げの先延ばしを要求されています。

投資家は、ほぼ全員、毎月発表される米国の経済指標に敏感であり、その数字に一喜一憂して売買の決断をしているように見えます。しかし、その新聞発表記事の字面からは前月比の短期的な変動しか見えません。

せめて中期的な変化を、グラフで見る事も大事だと思います。更に米国の経済指標は、速報値で楽観的な数値を示し、その後、改定値で大幅修正する事が大変多いのです。

特に、現在のような景気悪化時期には、騙しのテクニックの如き、大幅悪化の改定値の発表が今後増えると思われます。という事で、中期的トレンド、長期的トレンドを把握する事が大事だと考えます。

その中で製造関係指標を並べてみましょう。

米国製造業受注の4月は前月比マイナス0.4%です。下記は「米国製造業受注」に関する日本語の報道の典型例です。

米製造業受注は予想外のマイナス、需要総じて弱含む(ロイター)

此れだけではトレンドは見えません。(ア)を参照下さい。これは米国製造業受注金額の推移のグラフです。2014年7月をピークに2015年4月に掛けて下落傾向にあると見えるのです。

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ダラス連銀製造業指数も良くないのです。下記は「ダラス連銀製造業指数」に関する日本語の報道の典型例です。

【市場反応】米・5月ダラス連銀製造業活動指数は悪化/指標フラッシュ(フィスコ為替ニュース)

(イ)を参照して下さい。ダラス連銀製造業指数のグラフです。2015年1月から5月ずっとマイナスです。

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米国鉱工業生産指数も当然ながら悪いのです。下記は「米国鉱工業生産指数」に関する日本語の報道の典型例です。

米鉱工業生産指数、4月は0.3%低下 石油掘削が低調(ロイター)

(ウ)を参照下さい。米国鉱工業生産指数のグラフです。2014年12月から2015年4月までずっとマイナスです。

米国GDPも当然ながら悪いのです。

(エ)を参照下さい。米国GDPのグラフです。下記は「米国GDP」に関する日本語の報道の典型例です。4月30日発表の速報値ではプラス0.2%でした。

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第1四半期の米GDP予想大きく下回る、厳冬や原油安で(ロイター)

ところが、それが5月30日になると、マイナス0.7%の改定値となりました。大幅修正と言えます。

米国株、続落 ダウ115ドル安 GDP下方修正、ギリシャ懸念も重荷(日本経済新聞)

(オ)は、その速報値と改定値の公式発表データです。

特にGDPは政府が気にする数値です。公的債務比率は分子の公的債務額に対して分母にGDPを使用するので、常に+にして大きくしたくなるものです。

個人の借金の場合、債務比率を見る場合は累積債務(分子)/月収(分母)でしょう。その月収が減れば、借金返済が苦しくなるのは明々白々です。政府は何としても、このGDPを粉飾したくなるのは当然でしょう。

現在欧州では、金融市場では、何かを待っている雰囲気です。米国でも非常に先行きに対して懐疑的であり、何か事が起きれば崩れ去るのではないか?という懸念を誰もが心の底で持っています。

これは昨年末からの前述の経済指標を含む各種の指標の悪化、そして生活実感から来るものでしょう。

付録です。海外の投資家達が参考にする日本の経済指標です。勿論米ドル建てです。

fed150615_04

  • (カ)GDP成長率:2010年から現在まで
  • (キ)GDP成長率:2011年第4四半期から2015年第1四半期まで、曲線は予測です。
  • (ク)GDP(米ドル建て金額 B$)
  • (ケ)貿易収支:2013年から現在まで。
  • (コ)貿易収支:1960年代後半から現在まで。もし原油安が消えれば???
  • (サ)日経225平均です。

頭の中の常識と一致しますでしょうか?それとも違和感を覚えたでしょうか?もし落差が有るのであれば、常にそれを意識する事が大事だと思います。

【関連】ビットコインを用いたマイナス金利政策に言及=英中銀エコノミスト

いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2015年6月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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