1. 真の億万長者は一夜では生まれない
多くの人が成功者のマネをしようとしてもできないのはなぜなのでしょう? まず、最初に「お金持ちがお金持ちになるまで」をご覧いただきましょう。彼らの成功までの過程を見ることによって、見えてくるものがあります。
【”投資の神様”もスタートはサラリーマンだった】
まず、最初の事例は「オマハの賢人」ことウォーレン・バフェット氏です。バフェット氏は世界大恐慌が発生した翌年の1930年、アメリカ・ネブラスカ州のオマハに生まれました。証券会社のセールスマンだった父は、不況の煽りを受けて失業。その後、友人とともに自分で証券会社を立ち上げますが、一時はかなり困窮したようです。バフェット氏が倹約を旨とするようになったのも、幼少期にお金のない辛さを身を持って経験したからかもしれません。
バフェット氏は6歳からビジネスを始めます。祖父が経営していた食料品店で1箱6本入りのコカ・コーラを25セントで仕入れ、それを近所で1本5セントでバラ売りしました。氏は6歳で銀行口座を開設、貯蓄を始めます。他にも球場でポップコーンを販売したり、拾ったゴルフボールを売ったりしながら小銭を貯め続けました。
証券会社を経営する父の影響により、氏も10歳の頃から株式相場に興味を示すようになります。11歳で初めての株式投資を行い、利益も出しました。さらに新聞配達も始め、1人で複数の新聞や雑誌を掛け持ち。他にも、競馬場で潜りの勝ち馬予想紙を販売したり、友だちと一緒に理髪店にゲーム機を貸し出すなど、遊びとビジネスが混在する少年時代を過ごしました。
氏は学生時代に経済や投資に関する本を片っ端から読み漁ります。その中には後に投資の師となるベンジャミン・グレアム氏の著作も含まれていました。20歳で自己資金1万ドルを元手に本格的な投資を開始。5年後には14万ドルに増やしました。今の金額で1億円にもなる金額を、25歳で手にしたのです。
こうして見てみると、確かにバフェット氏の才能は早くから表れていた、と言えるでしょう。しかし同時に、新聞配達や球場の売り子など、誰でもできる仕事もやっています。氏が「幼少期の頃からアルバイトを何社も掛け持ちして元手をつくった」こと、「投資に関して徹底的に勉強することによって他を圧倒する存在となった」ことなど、「オマハの賢人は1日にしてならず」ということがよくわかるのではないでしょうか。