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「物価2%」の結果に明暗。日本と米国のデフレ対策、どこで差がついたか=児島康孝

「実質金利」の理解の違い

さて、日米の金融政策の、何が違うのでしょうか?

それは、「実質金利」に対する認識です。

アメリカは、景気が悪くなったり、経済恐慌が起きると、すぐに実質金利をマイナスにします。実質金利のマイナス政策です。

読者の皆さんがここで疑問を持つのは、「アメリカはマイナス金利はしていないですよね?」ということだと思います。いえ、これは、名目金利の話で、実質マイナス金利は、アメリカのFRBは機動的に行うのです。

日本は金融緩和になっていなかった

アメリカの名目の物価上昇率(インフレ率)は、日本より高めです。なので、実質金利がマイナスになっても、名目の金利はマイナスにはならないのです。

例えば、金利5%として、これは金融緩和的でしょうか? それとも金融引き締めでしょうか?

「ゼロ金利よりも金利は高い。つまり、金融引き締めだね」と考えがちですが、これは、そうとは限らないのです。

同じ金利5%でも、物価上昇率(インフレ率)が7%の場合、金融緩和です。経済の刺激効果は強いです。一方、物価上昇率が3%の場合は、金利5%は金融引き締め傾向です。経済の過熱を抑制します。

つまり、名目の数字が高いか低いかは大きな問題ではなくて、その「差」である実質金利が問題なのです。

ここまでの話でお分かりのように、「日本は金融緩和ではなかった」のです。

「微マイナス」で躊躇した日銀

日銀がマイナス金利に踏み切ったことは評価できるのですが、その後がよくなかったのです。

つまり、名目金利(表面的な金利の数字)にとらわれてしまい、微マイナスで止まってしまったからです。日本の物価上昇率では、もっとマイナス幅を拡大しなければ、金融緩和にならないのです。

Next: 日本が陥った悪循環のスパイラルとは?

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