アメリカの西海岸は、比較的好況の「IT産業」を抱える地域です。失業率が改善している昨今、そこでホームレスが減るどころか、増え続けている現状を紹介します。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2018年4月27日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
統計を信じるな。好況の「IT産業」を多く抱える東海岸の現状とは
史上最低の失業率なのに、ホームレスは増える一方
今回はアメリカ西海岸の大都市ロサンゼルスのホームレスの話です。
過去6年間で、ホームレスの数が1.75倍に増加したという点に注目して欲しいのです。
つまり、米国の経済は悪化の一途をたどっているということです。海外報道を翻訳しながら、ポイントを解説します。
ロサンゼルス郡は、住宅の裏庭に小さな家を置かせて貰えれば、その家賃を住宅のオーナーに支払うという実験プログラムを始めた。
また、ロサンゼルス市当局は、新たな法律を制定して、モーテルをホームレスのシェルターに改造することにした。
同市のホームレス人口は、過去6年間で32万人から55万人と1.75倍に増えたのだ。
出典:LA Wants People To House Homeless People – The Daily Caller(2018年4月12日配信)
庭の空きスペースをホームレスに貸し出すプロジェクト
さて、このホームレス用の小屋の写真が掲載されている報道を紹介します。基本概念図、外観、内部の写真が掲載されています。
ホームレスの人々をシェルターに移す計画はあっても、反対が多く実現はしない。
その反対論はどこも同じで、「施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれ」というもの。
これはどこの社会にもある「地域エゴ」で、必要性は認めるが、自分の家の近くは嫌だという主義。
それを打破するために、ロサンゼルスの当局は、自宅の裏庭にホームレスの家を建てさせて貰う代わりに、お金を住宅の家族に渡すという仕組みを作ったのだ。
8月に試験的に55万ドルの予算で小さな小屋を作り、それをホームレスのシェルターにするプログラムを作った。
他に違法な車庫も改造してシェルターにする計画も含まれており、合意した住居家族に金を支払う仕組みなのだ。
私の隣町でも、住宅街に葬儀場ができた。いまだに地域住民は反対の旗を立てています。道路を挟んで向かい側は大病院。いつかはお世話になる葬儀場が近くにあるなんて便利だと思いますが…。
Next: 失業率が改善しているのに、なぜホームレスは増えている?